よみもの~中等部編
10 ~side canon
「こんなに長い間、海堂君と一緒にいたのってはじめてだねぇ．．．」
そう、もっともっと海堂君のことが知りたい
私、いつも海堂君からいろんなもの、もらってるけど
杏ちゃんのいうように、私も海堂君に何かあげてるのかな？
もっといろんなことを言いたいのに
ついつい言葉を選んじゃうの
でもみんなが言うような、恋してるとかそんなんじゃない
そんな軽く口にだして言えるような気持ちじゃない
本当に『特別』
どう言ったらわかってもらえる？
ううん。。。その前に、よく自分でもわからないよ
この気持ち、どう説明できる？
映画もやっと３作目に入ったところ
二人ともまだ映画を観ている
私は画面を見てるだけ、だけど。。。
ねぇ、海堂君。。。
今はロンとハーマイオニーって、特別な親友、だけど
もう少ししたら、お互いの事、違ういイミで特別って想いあうんだよ？
いつ気付いたんだろうね？
私の『特別』も、同じなのかな？
いまこうやって考えている時点で『違うイミ』になっちゃってるのかな？
さっき海堂君言ったよね、
特別だからって、どうこうしようって思ったことないって
私もそう思ってた
それなのに、なんでかな
いま、とっても意識してしまうんだけど。。。
ちらりと、視線だけ海堂君に向ける
海堂君はたまに、ボトルを口に持っていくだけで
あとは、じぃっと画面を見つめてる
さらさらの髪
ちょっとキツい目に、長いまつげ
すっとした鼻筋に、ぷっくりとした唇。。。
ねぇ、ずっと思ってた
あの日の音楽室の事
あれは何だったのかな？
そりゃあ、びっくりしたけど
でも嫌じゃなかった
ねぇ。。。海堂君。。。
もっともっと。。。海堂君の事知りたいな
一緒にいて、教えて欲しい
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