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よみもの~中等部編
乾先輩

「俺も、さ」
そういう乾先輩をみると、苦笑いをしている
「いたんだけどね、一応...カノジョ...」
俺は、はあ。。。と、曖昧に返事をする
「部活ばっかりで、あんまりかまってあげてなかったから、愛想着かされちゃってさ」
あはは、と笑う
「まあ、あっちも俺の事を好きっていうよりも、
 テニス部レギュラーっていうステータスがね、ポイントだった訳
 ま、よくあるハナシ」
「先輩は、それで納得してるんスか?」
しまった、俺、すごく不躾な事をきいたかもしれない
しかし、乾先輩は、まったく気にした風ではなく、ふふ、と笑う
「そりゃ、ね、カノジョが出来たときは、浮かれたもんさ
 でも、それだけだよ、別に好きだった訳じゃないしね
 他のヤツらだって、似たような事は、たくさんあるよ?
 海堂が知らないだけで、さ」
そういえば。。。部室でそんなふうな事を部員が話しているのをきいたことがある
一度や二度じゃない。。。が、俺は全く興味もなかったし
それ以前に、そういうハナシは苦手だったから、話に加わった事はなかった
「そんな...一緒に居られないからって...しょうがないじゃないっスか?」
俺はものすごく理不尽だな、と、思った
レギュラーが好きなら、そのレギュラーを守る為に頑張ってる人を、なぜ理解しないのだろう?
「うん、だからね、海堂は部活ばっかりで、彼女もピアノばっかりなのにね
 いい関係が続いてるな、って思って」
「俺、よくわからねぇけど、お互いに頑張ってるのを...
 その、応援、するって...ヘンっスか?」
乾先輩は、ふぅん、と言うと
「なるほどね...まあ、それが理想...だよね
 でも、普通はなかなかそうも言ってられないもんだよ?」
なんか似たような事を、母さんにも言われた事がある
俺は上目遣いで、乾先輩をこそっとみた
目が合って、乾先輩はニッと笑って言う。。。
「あるイミ...いや、いいけどね」
あるイミなんだろう?

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