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よみもの~中等部編
結果ときっかけ

関東大会前、6月の校内ランキング戦では順当に勝ち残り、俺はレギュラー確定となった
Aブロック、手塚部長、乾先輩、そして桃城。。。一番の激戦区。。。だった

乾先輩に負けたことで、ヤツの。。。桃城のレギュラー落ちが決定した
仕方のない事だとは思う
俺だって。。。そう、弱気になる事もある
だからって、練習に出てこないのはどうだ?
次に勝てるように、もっと練習をするべきじゃないのか
まったく、甘ったれてやがる

俺は、乾先輩がもの凄い量のトレーニングを積んでいるのを知っていた
特に、前回のランキング戦で、レギュラー落ちした時から、だ
一体、いつ寝るんだろう、と言った一年部員の言葉が妙に引っかかる
確かに。。。
俺のトレーニングメニューですら、丸一日、トレーニングのしっぱなしと言う感じなのに
乾先輩のいう俺達のメニューの『2.25倍』というのは、不可能だと思った
しかしどうだ、乾先輩の身体は以前よりも、がっちりとしていて
それに、動きが滑らかで、無理がない

俺はしばらく乾先輩を観察してみた。。。が、一向にその秘密は見えてこなかった
乾先輩はそんな俺に気付いていたんだろう
ある日
「その秘密、知りたい?」
そういうと、こっちへおいで、と、植え込みの間にある、座り込むにはちょうどいい木陰に俺をよびよせた
授業中、身体を動かさない時間であっても、
ちょっとした工夫で筋力トレーニングができることを教えてもらう
もちろん、俺用に、細かい指導も入るが。。。
「実はね...」
そう前置きをし、俺のトレーニングメニューは、少なめに組んであると教えてくれた
アンタは自分ばっかりいっぱい練習して、と思ったが、ソレもお見通しだったようだ
どうせ組んだメニューより、多めにするだろう、という計算が入っていると言う
それは。。。そうだが、ソレじゃいつまでたっても、俺は乾先輩に勝てないじゃないか、
と、言う気がして、納得できなかった
それも読まれていたのだろう、乾先輩がある提案をする
「それじゃ海堂、俺と一緒にトレーニングしてみるか?
 そうすれば、メニューの調整も細かくしてあげる事が出来るよ」
俺にとっては願ったり叶ったり、だが。。。乾先輩にメリットはあるのか?
そう思うと、つい裏を読んでしまいたくなる
だが、乾先輩の考えてる事なんか、俺にはわかるはずもないし
今はそれが一番いいような気がして、俺は提案をのんだ
乾先輩はうれしそうな顔をむけたが、ん?という顔になる
「だけど...それじゃ、彼女が嫌がるかな?」
俺は何の事かな?と思ってちょっと考え、ああ、と、思いついた
「あ...すみません、先輩、カノジョといる時間、なくなりますか?
 俺は、いいっスよ、別に毎日じゃなくても」
乾先輩は、何を言ってるんだ?という顔になって、すぐに、ははは、と笑った
「違うよ、海堂、お前のカノジョ、だよ」
「はぁ...」
俺は思いっきりマヌケな声で応えてしまった
「そういえば、カノジョ、二次予選に通ったんだってね、おめでとう」
そこで乾先輩の言わんとしている事を、俺はやっと理解した
「いやっ、それ違いますっ、だって、カノジョって...
 それに、アイツだって俺の事、そんな風に思ってないっスよ...」
乾先輩は、そうかな?という
。。。けど、そうなんだよ。。。

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