[携帯モード] [URL送信]

よみもの~中等部編
視聴覚教室
6月にはいると、天気の良く無い日が続く
たいていは、部活に支障のないどんよりとした程度だったが、
今日は午前中からザブザブと雨がふりだして、とてもコートには出れそうにない

昼の休憩時間には、大石先輩が、今日の部活はレギュラーのみミーティングになったと、伝えに来た
ただでさえ、憂鬱になる天気
こんな時こそ、おもいっきり体を動かしたくなるのは、俺だけじゃないと思う

「お〜い、かいど〜〜、ミーティング行くぞぉ
 掃除、まだ終わんねぇのかぁ?」
間抜けな声で呼ぶなっ
なんだよ、そのニヤついた顔、ったく、鬱陶しいったらありゃしねぇ

視聴覚教室へ上がる階段で、菊丸先輩と不二先輩に出会った
「なーんか、だっるぅいよねぇ〜」
菊丸先輩だ
「ふふっ、しょうがないじゃない、天気には勝てないよ」
それはそうだけど
「あっ、おーいしぃ〜〜〜、今日のミーティングって何話すのっ?」
菊丸先輩が、少し先を行く大石先輩に飛びよる
確かにな、何のミーティングだよ?と、思う
その暇があったら、廊下で素振りでもしてた方が良くないっスか?

「あれ?視聴覚教室、もうデンキがついてるね
 誰だろ?おちび...のハズないし、乾かな?」
俺にはだいたいわかっている、どうせ、練習の順番待ちをしているアイツだろう
今聞こえてるピアノの音は、吉川先輩だ。。。多分。。。俺の知らない曲だから。。。
菊丸先輩が視聴覚室のドアを開けたとたん、うわぁ〜と、声を上げる
「うっわぁ〜、カノンちゃん、なにしてんの?」
薄いカーディガンを羽織り、ちょこん、と、窓際後ろの席で、楽譜を広げているアイツ
6月とはいえ、雨が降ると肌寒い日もあるが、今日はそうでもないと思うけど。。。
「あ、ここ使われますか?すみません、すぐ出ますから」
そうあわてて、楽譜を閉じ、ばたばたと支度をする
「いいよ、あわてなくても」
大石先輩が優しい声をかけた
「すみません」
教室をでるとき、俺と目が合ったアイツは、少しだけ笑顔をよこした

[次へ#]

1/7ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!