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よみもの~中等部編
7 ~kaoru
連休明けの今日は、朝練がないのは知っていたが
習慣で、いつもの時間に起きてしまった
ダラダラするのは性に合わない
早すぎるとはわかっていたけど、いつもの時間に学校に向かう

学校について、軽く素振りでもしようかとも思ったが、昨日部活帰りに買ったテニスの本を読むことにした
教室にはまだ誰も来てなくて、当たり前だけど、がらんとしていた
俺はあまり人が大勢いる場所が好きではないから、こういうのは良いな、と思う

本には、上達する為の情報がたくさん書かれている
基礎トレーニングの方法はもちろん、怪我の原因や、それをさける為の方法、はたまた、体作りの為の栄養学まで
すごく興味深くて、俺は、どんどん読み進めていった
この本、おもしろい

「おはよう」

俺はその声が、いきなり頭の中で鳴ったように感じた
つまり、それほど本に熱中して、いたようだ
反射的に顔を上げて、おはよう、と挨拶をする
その時になって、初めて声の主を認識した

うっ、彼女だっ
ここは、知らんぷりだ、何事もなかったふりだぞ
俺は必死に真顔を保とうと努力した
「連休前はありがとう、ね?」
と、彼女は言う
「あ、うん...」
って、それ以上、何を言ったらいいんだ?いや、言わない方がいいんだよな?
挙動不審になるな、俺!
しかし、彼女はそれだけ言うと、あっさりとした態度で鞄の中の教科書を取り出しにかかっていた
俺は再び本に目を戻したが、あまりにも緊張していて、
そこから先の内容はさっぱり頭にはいってこない

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