恋する動詞で111題! 別れる 「ねぇ、崇弘。」 「……何ですか、弥香さん」 弥香さんが俺に話し掛ける。 表情が何故か悲しそうだ。なぜだろう。 「――別れよっ、か」 「……っ!?」 弥香さんは笑っていた。 何故何故何故何故何故何故何故!? 俺は何かしただろうか。 「…っどうして、ですか……」 「だって!…………跡部様にいつも付き従っている 崇弘と付き合えば跡部様とお近づきになれるかなって 思ったのに、ぜーんぜん機会がないんだもの!」 弥香さんは笑っていた。 けど、俺には分かる。弥香さんは嘘をついている。 「………わかり、ました。……弥香さん、」 別れる (いつも貴女じゃなくて跡部さんを優先していて、) (…ごめんなさい) (…………(もう遅い、よ)) [前][次] [戻る] |