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キノコ奮闘記
   3



ー放課後ー



久し振りにテニスが出来る。

そう思った彼女は既にニヤけていた。
「…溢輝、ニヤけていてキモい。」
「……っ!?仮にも俺は女子だぞっ!?」

「…仮にも、って……。
取り敢えず、部活が終わるまで待っていろ。
今日は自主練をしないで帰るから、
6時頃には帰る予定だ。」
日吉は苦笑いをしつつ、溢輝に伝える。
「部に遊びに行くn…「絶対来るな」……わかったよ。」


溢輝は、何かをフと考えながら、…こう呟く。
「…もしも、何か
"行かなくてはならない用事"があれば、
行っても良いだろう?」

ニヤ、と溢輝は笑う。


「…(ハァ)……勝手にしろ。」
日吉はこれから溢輝が何かを起こす事を予想しつつ、
仕方が無く了解した。


「俺はもう行くからな。
ちゃんと何処かで、大人しくして待っていろ。」
「…あぁ。」




「若にそう言われても、行きたくなるよ、な。」
ニヤ、と笑いながら片手に持っているのは
日吉の国語の教科書。
先刻の授業の終了の際にこっそり頂戴していた。

「…[若の国語の教科書を届けに行かなくては]、な。」

一人そう呟くと、テニスコートに走った。



(若は怒るだろうか)
(それとも呆れるか?)

(どちらにせよ、愉しみだ)







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あきゅろす。
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