クラヤミ
昼下がりを妹と。
沢田華音が死んでから6年がたった
「カノン姉〜聞いてるぅ?」
「ん?あぁ、ごめん。ボーっとしてた」
日当たりのいい場所に設けられたテラスに座り、あたしと妹のロードは紅茶を飲んだりして、傍から見れば仲のいい姉妹のように振舞っている。
イヤ、実際仲いいんだけどね?
華音が死んで6年、カノン・キャメロットとになって6年。
こっちに来てからいろいろあった。
家族…ノアの一族と会って、
ノアの一人シェリルの娘としてキャメロット家の養女になり戸籍上でロードの姉となった。
ぶっちゃけて言おう。
ロードはあたしより年上、らしい。
けど、容姿が容姿だしロードはあたしを姉として接してる。
だからあたしも妹として接してる。
「もぉ〜カノン姉、話はちゃんと聞かなきゃダメだよぉ」
「ごめん、ごめん」
ロードはほっぺを膨らませて怒った。
かわいいなぁ。
…あたしシスコンじゃん。
二人でテーブルの上にあるクッキーを手にとって口に運ぶ。
「あ、そうだあのねぇ〜」
ロードは最近アレンってエクソシストにご執心の様子。
よくアレンについて話してくれる。
何時か会ってみたいなぁ。
噂のアレンとやらに。
綱吉、あたし今すっごく幸せなの。
欲しかった家族がいるもん。
それもたくさん。
みんな血は繋がってないけどね。
欲しかったものがあるって幸せ。
綱吉には血の繋がった家族がいる。
けど、あたしにはいない。
綱吉には血の繋がらない家族はいない。
けど、あたしにはいる。
これでお相子でしょ?
昼下がりを妹と。
(血の繋がった家族のいる綱吉に)
(血の繋がらない家族は必要ないでしょう?)
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