クラヤミ 少女と学ラン少年と。 「ふ〜ん…」 カノン・キャメロット、14歳。 現在、覚醒前にいた世界、つまり綱吉のいる世界にいます。 何故って? 千年公にお願いしたの。 「前の世界に行きたい」って。 定期的に家に帰るように言われたけど、許可が下りた。 「さて、綱吉はどうしてるかな〜」 お気に入りの黒髪を揺らしながら微かな記憶を頼りに町を歩く。 ちなみに、服はいつものだと目立つからこっちに合わせたものを着てる。 6年で町は結構変わった。 売地には新しい家、公園には新しい遊具。 どれも以前はなかった。 「6年って結構長いなぁ」 ポツリ。 あたしは呟いた。 ******* 「この辺、だったかな?」 華音が死んでから6年。 だから、綱吉は今16歳。 ではなく。 千年公曰く、少々時間にズレが生じたらしく綱吉の現在年齢は14歳。 つまりは同い年。 あの綱吉のことだ。 中学受験、なんてしないだろう。 だから、並中かな? 家からも近いもんね? 「っと、はっけ〜ん♪」 時刻は10時近く。 当然校門も閉まっている。 「ま、あたしにはそんなの関係ないけどっ」 軽く勢いをつけ校門を飛び越える。 「らくしょ〜♪」 「不法侵入で咬み殺す」 と、後ろから風を切る音がした。 「『あたしに攻撃することはできない』」 「!?」 クルリと後ろを振り返った。 そこには銀色に輝くトンファーと呼ばれる武器を握り、今にも振り下ろす、といった体制で停止している学ランの生徒が一人。 表情からは驚愕の色が隠せないでいる。 「…(並中って、学ランだっけ)」 あたしの記憶が正しければブレザーだったと思うんだけど…。 「ねぇ、」 「え?」 「これ、何とかしてくれる?動けないんだけど」 「あぁ、『あたしに攻撃する意思がなければ動ける』よ?」 動けないあたりを見ると攻撃の意思があるってことね♪ 「っ」 「あぁ、無理に動かないほうがいいと思うけど?」 キッと学ランの少年(年上だと思うけど)はあたしを睨み付ける。 この状況が屈辱的みたい♪ 「『あたしに攻撃する意思がなければ動ける』って言ってるじゃん」 「君、何なの」 「さぁ?自分に牙を向けてくるような人に教えることなんてないわ」 あぁ、少年の顔がさらに歪んだ。 ホントもう…、 たまらない!! 人間の屈辱的な顔♪ 早く綱吉のこんな顔が見てみたい…!! 「そろそろ飽きたし、『あたしが去ってから30分後に動けるようになる』から」 そう言って少年に背を向け校舎のほうに歩き出した。 てか、門を飛び超えたときくらいから感じるこの視線…。 ほんの少しだけど、殺意を感じた。 攻撃をしてこないってことは、その意思がないか、あたしの『言霊』が聞こえたか、ってとこかな。 でも、いくら攻撃の意志がなくとも視線が一か所から動いてないってことは『言霊』が聞こえる範囲内にいるってことか…。 ま、並の人間じゃないのは確かかなー。 あたしが場所の特定できないほどだし。 でも、何故こんな町にあたしが場所を特定できない程の人間が…? まぁ、いいや。 どうせ… 「『あたしが並中の校門を再びくぐったとき、あたしを覚えてる人なんていない』のだから♪」 その呟きに返される言葉はなく、ただ風に溶け込んでいった。 少女と学ラン少年と。 (さぁ、綱吉を捜さなくちゃ!!) (アタシノ愛シイ愛シイオ兄チャン♪) ---------- 何つうか、この話心理戦とか頭脳戦になりそうな予感ww うちの残念な脳みそで大丈夫だろうかww つか、毎回勢いで書いてるから展開とかあんまり考えてな(殴) [*前へ][次へ#] |