銀魂夢小説「我も紅 」 カツカレーを食べたい ようやく重い扉が開く音がした。 長かった。ようやく上の方のやつらがお出ましか。 顔だけそいつらの方を向け、にっこり笑ってやる。 「はじめまして、松田名前変更はこちらからです」 入ってきた三人は、全員、全く、反応しない。 「おい挨拶ぐらいしろよ〜」 「うるせぇガキ。机を蹴るな」 「どんな女が来るのかと思いきゃ普通じゃねえか」 二人の男が同時に言った。 町でよく見かける。土方と沖田だ。 「カツカレー食べたい…」 「吐くこときっちり吐くなら持ってきてやる。さっさと吐け」 「吐くって…なにを?」 土方は黙って三人目の男を見た。こいつも知ってる。近藤勲だ。しかし近藤は「俺は知らないからね!拷問はトシ専門!」と情けないことを言っている。 「知ってるよ、幕府のお偉いさんが怒ってんでしょ?創作の中だけど、今の幕府のあり方を批判して、まるで攘夷志士たちが正しいかのように描写したもの」 「分かってんじゃねーかィ。ま、話を聞くまでもねえや。お前は反逆者としてブタ箱行きだ」 「…世の中は不条理すぎる。私には理解できないなあ。ブタ箱からはどれぐらいで出られそうなの?」 「いや、それ以外の方法がある」 今まで黙っていた近藤が突然言った。 [*前へ][次へ#] |