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宮部くんの日常
3
ダンッ

「「「キャーーーー」」」

歓声が一際大きくなり体育館中に響きわたった

夕希はあいかわらず壁から離れることはせず女の子より低い声で叫ぶチワワ軍団たちの背中を眺めていた

チワワたちの反応からすると誰かがダンクをしたらしい

夕希は瞬かと思ったがどうやら違うらしい
「黒崎様かっこいいー!」「王子ーー」
という声を聞いてただでさえ高くないテンションが一気に下がったのを感じた

夕希が忘れ去りたい過去に関わりがある人物。名前は黒崎魁斗
瞬がもっとも思い出したくない人物の一人である


うゎーー嫌な奴みちゃったよ


チワワたちの隙間から爽やかな笑みを浮かべる魁斗を見て
夕希はゲンナリした

小学生の頃の爽やかさはあいかわらず健在であり今は学園の王子として人気を博している

この狭い学園の中にいるので夕希はもちろん魁斗の存在を知っていたが、この一ヶ月入学式は参加せず人が集まるところをことごとく避けてきたので実物の魁斗をみるのは約7年ぶりだった

ーーーー相変わらず生け簀かない笑いだな

この7年間さまざまな人と出会い経験を重ねてきた夕希の人をみる目は著しい成長を遂げていた
だからこそ昔はわからなかった魁斗の笑みの奥に隠れている闇の部分を感じ取ることができた

ーーーーまぁ、俺には関係ないことか

チワワたちに囲まれている魁斗たちからそっと目を背けた





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あきゅろす。
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