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 ルリがおれの性器を弄る度、卑猥な音が耳にこだまする。ルリの手淫は巧みで、確実におれは登り詰めていた。
「うん…………あ、ぁ………だめ、やめろって…………こわ、からぁ。おねが……ルリ……」
 ルリはたまにキスをしてくる。おれが怖い怖いと言うごとに繰り返されるそれは、優しくて、温かくて、気持ち良くて、一瞬だけ怖さを忘れられた。
「よしき……はぁ、よしき。エロ……」
 既に弱々しくしか抵抗できないおれに、ルリは拘束を解き、空いた左手で自分のモノを扱いていた。2人ぶんのカウパー臭で、部屋の中は雄のにおいに染まっている。
「く、あぁぁあ、あ、やだ、それ、きもちい、へん、なる………や、こわっ……」
 ルリが尿道を引っ掻いた。気持ち良くて、自分をまた無くしてしまいそうで、怖い。
「は、よしきっ、一緒にイこ」
 突然、熱いものがおれのそれとくっ付けられた。それがルリのモノだと気づいたときには、もうルリの手で同時に扱かれ始めていた。
「あ、あつ………」
「よしきの、ボクのよりちっちゃい」
 朦朧とした意識の中、何か失礼な事を言われたのを察知したおれは、力の入らない拳でなよなよしくルリの頬を叩く。ルリの頬は、思ったよりも男らしく硬かった。
「ルリ、ルリ、やだ、イきそう、イぅ………ヤダ、やだやだ、怖い怖いこわいこわい………たすけ、ぁ」
「………ああ、そっか、うん。そうだよね、一番気持ちイクなる時だもんね。…………怖いよね、でも、よしき、さすがに1ヶ月も禁欲してたらまずいって。体壊す」
 ルリが何か言ったが、それを理解する前に竿を扱く手が速まって頭が快感と恐怖に独占された。
「あ、あ、つよっ、まって、むり……」
「ん、よしき―――」
 イク直前、ルリに口を塞がれた。2人の嬌声はお互いの口内に吸い込まれて、外に漏れることはなかった。
 最後まで、ルリの手は震えていた。


 

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あきゅろす。
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