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「って、あれ。………………ホシキ、フード………」
「ボクはFOODじゃありませーん!」
 靴を脱いで部屋を見ていたホシキが、翠の髪をなびかせながら振り向き様に言った。
「いや、食べ物の方じゃなくて、HOODの方だよ。取って良いのか?」
 ホシキの頭には現在桃色のフードは無い。おれの家に入る直前にとったのだ。
 そこから顕れたのは翠の髪に、キラキラと光る淡紅色の瞳。肩に少しかかるぐらいの髪に、大きくてぱっちり二重のくりくりした目。顔の造形も中性的だから、顔だけ見たら女だと思うかもしれない。
「あぁ、これ? 問題ないよー。ボク、生まれつきアルビノでさ、極端に光に弱いから。昼間なんかは帽子かぶらなくちゃまともに前も見れないし。でも中では大丈夫」
 ホシキは自分の目を指差しながら、言う。
「へー。アルビノって初めて見た。じゃあ前、夜にフードかぶってたのは?」
 おれは不思議に思って訊ねてみる。夜なら太陽は出ていないからフードをかぶらなくて大丈夫なのではないか。
「外灯にも紫外線ってあるから、一応? ほんとは大丈夫なんだけどね、一応」
 やけに一応を強調するホシキ。
「ふーん。サングラスとかしなくて大丈夫なのか?」
「夏は着けるよー。冬場はしばしばって感じかな? 今日は日が弱いから大丈夫! それにコンタクトにもUVカット機能ついてるから」
 ウインクしながら片足をあげてみせるホシキ。
「んなコンタクトあんだな。それと、それキモいからやめろ」
 また、口がへの字型になった。


 

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