小説
うちのワンコ達に関しての考察(松下
お久しぶりです。
皆様の松下慧人でございます。
最近美形共とエロエロエロスに埋もれて影の薄〜い俺。
でもちゃんとアレだよ?ナツキとレイジの周りうろちょろしてたかんね。居なかった訳じゃないから。
単なるタイミングだから。(必死)
ところで最近 うちの二匹がずっと仲良くジャレている。
もうアレだ、レイジもナツキもお互い姿見えないとキャンキャンムダ鳴きすると言うか。 常時くっついてたいんだろうな。
ほんと、最初にあんなに反目してたのが嘘のように見る度にチュッチュしやがっている。
だから気を利かせたつもりでちょっと距離を取ったりほっとくと 今度は寂しくなるのか 二匹して走って来ると言うね。
…二匹だけで楽しくて夢中で遊んでても時間が経つと飼い主を思い出して落ち着かない 留守番犬のような…?
二人きりになりたくないのかと聞いてみると、
「 それはそれで楽しいけど 慧人がいる方が出来る事増えるし… 」
と 何だか聞き捨てならない答えが。
「 何だよ、出来る事って?」
「 後ろだけじゃ物足りねえから。」
「 …… 。」
「 こら、ナツキ。何て言い方すんだ。違います、ケイさん。」
黙り込む俺に すかさずナツキフォローを入れてくるレイジ。 こらとか言ってる割には頭撫でてやってるて何だお前ら。
「 単にケイさんが居ないと寂しいだけです、俺らは。確かに二人でも楽しいけど…やっぱり何か足りない、って。」
「 …それ、さあ。単に刷り込みってか、三人で居る事に慣れ過ぎちまっただけじゃねえの?」
何だか微妙な気分だ。
「 …そうじゃないです。そもそも俺もナツキもケイさんが好きなんだから。…刷り込みや慣れで姿見る度に抱きたくはなんないでしょ?」
「 …お前、明け透け過ぎるぞ。」
「そんだけ俺もナツキもケイさんに恋してるって事だよ。…それとも、俺らが纒わりついたら 迷惑?」
「 迷惑?」
ナツキまでもが同じようにずいっと身を乗り出してきて、二人に気圧される惰弱な俺。
くっ 別に俺はチビな訳じゃね〜もん。 こいつらがでっかいだけだもんね。
腹の中で負け惜しみを吐いてる内に二人に押し倒され その日は当然のように3Pに至った。
…激しくて三回失神した。
いや、考えてもみろよ?
ナツキは俺に突っ込んでレイジに突っ込まれる。レイジは俺とナツキに突っ込む。 俺は二人を受けなくちゃなんね。
どうよ?これ、普通にキツくね?
言っとくけど俺、二人みてえに体力も筋力もねえから。
ただの貧相な凡人だからな。
絶倫ワンコ二匹相手にして無事な訳ねえだろ。毎回翌日はしんどくて寝てる。
つまり 休日前夜が一番望ましい。
なのに奴らは俺を見ると飛んで来てじゃれついて いや、それは可愛くて全然良いんだけど、ついでに押し倒すのは全然可愛くない。
もうちょい俺の都合とか体力とか体力とか体力とか…考えて欲しいんだよなあ。
俺はお前らと違ってもう二十代半ば過ぎの、最近では健康面も気になってきたオッサン手前の平凡なんだ。労れ、マジで。
見た目ほどには若くねえんだからさ。
十代の頃から夜の世界に身を置いて、連日酒喰らって昼夜逆転生活何年も続けてりゃよっぽど気をつけてなきゃどこかはおかしくなる。
レイジは自炊で食生活にもたまにジム通いもして体力も気をつけてるみたいだから…そうか、だからか、あの際限無さげな絶倫さは。
やっぱ若いうちからの習慣で差が出るんだな、きっと。
つまり俺は面倒くさいと思って怠惰に過ごしてたからちょっと無茶されたらすぐネを上げるのか。
…や、いや、やっぱあの二人を一人で相手すんのは誰でもキツいな。俺じゃなくても気絶もんだ。
だって デカイ 長い、遅い(真顔)。
二人してアレのサイズが平均以上だし、しかも何回もイかないとってか 俺をイカせないと気が済まねえらしいし。実際有難迷惑なんだけどな。 あんなに失神ばっかしてて大丈夫なんか、俺は。実は心臓とか弱って来てたりして。
そんな他人から見ればしょうもないけど自分では超大事な事をつらつら考えてるここ最近なのですよ。
しかもナツキはレイジと暮らし出してから更に甘ったれになっている。
レイジが細々世話を焼くタイプだからもう拍車がかかって、大変だ。王様だ。ナツキはもう家に居る時には髪すら自分で洗わないしとかないらしいぞ。
昨日なんか観察してたらな、ナツキが喉渇いたっつったら レイジがペットの茶を出してキャップを開けて口まで持ってったんだよ。
「 …おーい…。レイジ、ちょっと甘やかし過ぎじゃねえのか?」
いくらなんでもそんな190越えた人並み以上の体格した男にこれまた似たようなご立派な男がそこまでやんのはどうよ?
二人とも美形だからまだ見れるけどよ。顔面偏差値普通の連中がやってたらただの暑苦しいガチゲイだかんな。批難ゴウゴウで石も飛んで来たかもしんねえぞ。人並み以上に綺麗に生んでくれた親御さんに感謝しろよ。
…俺みたいな平凡なら一発で キショ って言われるに違いねえわ。
「 甘やかし…てます? 何ならケイさんも同じようにしてあげますよ。…上げ膳据え膳 手取り足取り腰取り… 」
「 …ナツキ、あんこ溢してんぞ。」
「 えっ あっ、こら。またお前は。」
ちょっと俺に気を取られた隙にナツキが鯛焼きを食いながら何故かあんこを溢していた。何故それくらい普通に食えないんだ。お前はどんだけ不器用なんだ。
レイジも言葉では叱りながらもやってる事と言えば優しく汚れた口の周りをティッシュで拭ってやっている。
…こりゃダメだわ。
多分こいつらはこの先も改善の余地は無いように見える。 もうレイジは一生ナツキの完全介護要員で良いんじゃないのか。
…頼むからそれを俺にはあんまり向けんなよ。
破れ鍋に綴じ蓋、と言う言葉が頭を過る。
うん、良いじゃないか。俺は世話されるのを享受出来るタイプじゃないし、これを受け止めるのはちょっとしんどい。
そこへ行くと ほんとナツキ様々だ。
ナツキの存在が俺らのクッションになってくれて上手く回ってる気がする。
「 仲良き事は美しきかな〜…」
相変わらず目の前でイチャイチャな二匹を眺める飼い主のような俺。
あれだ、身繕い。
レイジがナツキの身繕いしてんだ。 だからこれは微笑ましい行為なんだ。
何となく納得してしまうやっぱり惰弱な俺だった。
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