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タロット
]Y.塔〜終焉前夜〜

]Y.塔〜終焉前夜〜


刹那とのデートがバレ時恵は雅に怒られ勇久には心配をされてしまった。
霧の魔城
刹那が言った場所が本当に逆のタロット者のアジトなのかはわからない。
時恵に言われ法命と律希親子が調べている。
時恵は紅右国の中庭にいる青年を見た。
青の髪にウェイブが入り左頬に刺青のある青年に目を奪われる。
刹那とのデートにより怒りをあらわにした刹那から自分を守ってくれた男性である。
名前は、鋼。
雅の知り合いらしい。
「鋼が気になるか?」
鋼を見据えていた時恵にいきなり声がかかり時恵はビクっと反応した。
そこには雅が立っていた。
「まぁ、お前が気になって当たり前だ。鋼はタロット者だからな」
雅も鋼を見据えながら告げた。
「鋼さんが」
「愚者のタロット者だ。」
「愚者…」
愚か者。バカ者などと訳される愚者
だがタロットカードでは0.愚者 始まり、挑戦を意味するカードでもある。
「ただ…おかしいんだ」
雅は苦虫を潰したように顔をしかめた。
「おかしいって?」
「俺の記憶にある鋼と今の鋼が全く一緒なんだ。俺が鋼に会ったのは5年くらい前だ。その間全く変わらないなんてあるのか?」
鋼は見た目20歳くらい。
雅と歳が変わらないはずだ。
「きっと若く見えるんだよ。」
時恵の明るい言葉と違い雅は違和感が消えなかった。
雅は鋼に近付いた。
「鋼」
雅の声にずっと空を見ていた鋼が雅を見据えた。
「鍛練は欠かさずしているようだな。雅」
笑みはない。冷静な口調である。それはまるで機械の電子ボイスみたいにも聞こえた。
「ああ。けど…静音を守れなかった。アンタとの約束を守れなかった。」
雅は申し訳なさそうに告げた。
「運命を返ることは出来ない。」
「逆のタロットに捕まるのが静音の運命と言うのか?」
「ああ。直に静音は覚醒する。それにより動きを止めていた歯車が動き出す。」
鋼の言葉は先を知るような口調だった。
「アンタはいつもそうだな。何かを知っている。いや、これから起きることを知っているみたいな」


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