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ある日の休み時間。

金「奏は白石の毒手について知っとるか?」

「毒手?」

金「おん、白石の左手に包帯巻いとるやろ?包帯の下に毒手があるんや…その手に触れし者は死んでしまうんやで!」

「えぇ!?」

金「怖いやろ?白石がワイを叱るとき包帯を解こうとするんやで!」

「怖いね、白石先輩は徒者じゃないと思ってたけど…」

金「やから奏も気をつけとき」

「うん」








その日の部活。

白「奏ちゃーん!!」

ずさっ

「なんですか?」

白「………」
「……?」

白「奏ちゃーん!!」

ずさぁぁぁっ

「だからなんですか!?」


白「なんで避けるんや!」

「別に避けてません。いつも通りですよ!」

白「どこがやねん!絶対避けてるやん。だってほら…」

何かを言いかけたかと思うと白石先輩が私に向かって抱き付こうとしてきた。

「!!」

ずさっ


白「ほら、ずさぁぁぁって俺から離れて行くやん!」

「気のせいですよ、ほら練習練習」

白「話そらしたな…」

半分怒っているような声で言った後、ジャージに着替えて部室から出て行った。


「毒手って本当なのかな…。」



誰もいない部室で掃除をしながら呟く。

「あ、でも包帯巻いてるときは大丈夫なのか!みんな触ってるし。なるほど」


一人で考えて結論が出たときドアが開く音がした。


白「何がなるほどなん?」

「白石先輩!?ど、どうしたんですか」

白「包帯が汚れたから新しいのに替えようと思って」

「そうなんですか…ん?」

包帯をのける→毒手参上!→「悪い子にはお仕置きや〜」→「やめてくださいな〜あーれぇぇ!」



ずさぁぁぁっ


「わ、わ、わ、わわたした旅に出てきます!アデュー!」


白「は?急にどうしたん!?」

「いやいやいやいや、気にしないで下さい!てか左手を近づけないで下さい!」

私の腕を掴もうと、白石先輩が左手を伸ばしてくる。

溶ける?焼ける?蒸発する?


「どれもいやぁぁぁぁあ!!」


白「奏ちゃん!?」









その後、私が毒手の真実を知るまで白石先輩を避け続けた。





end


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