A
全国大会…か。
幸村部長に会えるでしょうか。
会えたらいいな。
他の先輩たちにも。
もしも、会えたら黙って転校した事謝らないと。
きっと、切原先輩や丸井先輩には怒られるな。
『なんで黙って転校するんだよっ』って。
きっと、もうバレてるだろうから。
謙「奏?」
「…」
謙「おーい」
「あ…は、はい!」
謙「ぼーっとしてどうした?具合でも悪いん?」
「い、いえ」
財「あー、謙也さんがセクハラしてるー!」
謙「は!?」
白「ピピィィィー、はい、謙也くんはグランド10周!小春、奏ちゃんを救出せよ!」
小「アイアイサー!!」
謙「なんでや!てか、なんで笛とかもってんねん!?」
白「あ、これ?これは金ちゃんを呼び出すための笛や。おやつの時に使うんや」
財「ほら、謙也さん。早よ走らな、また部長に千本ノック顔面狙いされますよ。」
謙「ぎゃー、あれだけは勘弁や!」
「あ、あの白石先輩、謙也先輩は…」
白「ん?ああ、大丈夫。あれは朝練に遅刻したからや、ほら財前も走ってるやろ?」
「あ、本当だ。」
白「安心した?」
「はい」
白「あ、そや。オサムちゃんにこれ渡して来てくれん?」
「わかりました。」
白石先輩に渡されたのは部誌だった。
白「雑用頼んでごめんな」
「いえ、気にしないでください。じゃあ、行ってきます」
白「行ってらっしゃい」
コートを出て、職員室に向かった。
渡「おー、どうした?」
「白石先輩から」
渡「おおきに」
「いえ」
渡「そうや、黒柳。」
「はい?」
渡「部活には慣れたか?」
びっくりした。
いきなり聞かれたため答えるのに時間がかかってしまいました。
「はい、楽しいです」
渡「そうか」
「失礼します」
渡「おう」
職員室を出て、テニスコートのある方へ歩いていく。
「奏…?」
ふと、どこかで聞いたことのある声に名前を呼ばれた気がした気がした。
「…?」
声の方を振り返ると、そこにいたのは…
「やっぱり!」
「奏ー!」
「嘘…」
まさかまさかの人たちだった。
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