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幸「はーい、みんなぁ鬼ごっこするよー」
「「「「え?」」」」
合宿から帰ってきて初めての部活。
幸村部長のいきなりすぎる発案に先輩方含めびっくりです。
いつもの練習とは違い「鬼ごっこ」だそうです。
仁「鬼ごっこ…か?」
幸「うん、鬼ごっこ。奏も強制参加だからね。鬼は俺と弦一郎だ」
真「うむ、捕まったものはえーと…柳特製の苦餅を食べてもらう」
赤「苦…餅っすか?」
柳「ああ、貞治が恐怖を与えるとよく練習をすると聞いてな。試してみた。」
柳先輩が手にしているのは綺麗な緑色をしているお餅でした。
「綺麗ですね」
柳「味見するか?実は俺もしてないんだが…」
「…今は止めときます」
幸「ルールはわかったよね?はい、じゃあ始めるよー」
真「それでは逃げろ!」
真田副部長の掛け声と共に勢いよく逃げる先輩たち。
よく分からずにキョロキョロしていると…
柳「奏、ひとまずこちらへ」
「は、はい」
柳先輩に手を引かれ、校舎裏へ。
手を引かれて気がついた。
最近は、男の人だからと言って立海の先輩たちに怯えなくなったみたい。
柳「しばらくは大丈夫だろう」
「あ、ありがとうございました。でもいきなり鬼ごっこって…」
柳「最初は、リアル鬼ごっこをすると言っていた」
「リ…リアル鬼ごっこ…って」
柳「小説で一時期流行ったアレだ」
「幸村部長ならやりそうですね…」
柳「全力で止めたがな…そろそろだな」
「え…、何がですか?」
柳「奏、俺とはここでお別れだ。」
「あ、はい…ここからは全力で逃げますね。」
柳「その必要はない、お前はここにいろ」
「へ?」
柳「じゃあな」
ぽんぽんと頭を軽く叩くと体育館の方へ走っていった。
(ここにいろってどういうこったい?)
幸「こういうこったい。」
「……(停止中)」
幸「あれー、どうしたの?奏」
「ぎゃーーーー幸「黙らないとお仕置きだよ?」……」
幸「いい子だね」
にっこりと笑った幸村部長をみた途端顔が熱くなった。
なにこれ…?
幸「顔、赤いけど大丈夫?」
「は、はい」
幸「あのね、話は変わるけど…」
「は、はい」
幸「俺、奏と話したかったんだ」
「…ナニヲデスカ?」
幸「んー、いろいろ」
いろいろかぁ。
幸「奏は青学のぼうやに友達としてしか見えないって言ってたじゃない?」
「…はい」
幸「俺のことは…?」
「へ、あ、あ、あ?(ボフン)」
幸「どうなの…?」
「…え?え〜とっ…?」
どうなんだろ、幸村部長と一緒にいると他の先輩達といるときと違ってドキドキする。
これって"好き"なの?
「好…き…です」
幸「先輩として?」
「なんだか、違う…と思い…ます」
幸「そう」
「でも、越前くんや他の先輩達とは絶対…違う気持ちです。」
幸「ふふふ、俺もひとりの女の子として奏が好きだよ」
「へっ!?」
幸「さて、そろそろ真田がみんなを捕まえた頃かな。」
「あ、そういえば鬼ごっこの最中でしたね。」
幸「うん、みんなのところに帰ろ」
「はいっ!」
幸村部長と部室前に戻ると先輩達が捕まっていた。
柳先輩もいた。
柳「大丈夫だったろ?」
「はい」
幸「さあ、みんな苦餅の試食タイムだよ」
R「「「「ヒィィィィィ」」」」
柳「う…む…、や…りすぎたかも…しれないな…」
「柳先輩ー!!!お水、お水」
この楽しすぎる毎日が続くのが私の願いです。
幸村部長と他の先輩達。
涼ちゃんに越前くん達、青学の皆さん。
ずっと一緒にいたいなって初めて思いました。
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