@ 「ただいま〜」 「おかえり、お姉ちゃん」 家に帰ると双子の妹の涼ちゃんがもう帰っていた。 「もう帰ってたんだね、涼ちゃん。」 「うん、今日は越前くんと魔王に捕まらなかったから早く帰って来れたの。」 涼ちゃんは私と違って、遠くの青学に通っている。 「魔王って、誰だったっけ?」 「不二先輩だよ。普通にあたしの心を読んだりするの。プライバシーの侵害だよね。」 「私の先輩にもいるよ、いつも弾丸トークとか聞かれるの。」 「へぇ〜、そうなんだね。お互いに大変だね。」 こういう風に私たちはいつも学校であったことを報告しあう。 「そう今日学校でね、小学4年のときにこの近くの公園であった男の子が…」 「銀髪の王子様!?」 そう涼ちゃんは、私の男嫌いの原因(仁王先輩)を『銀髪の王子様』と呼び、3年間片思いしているのです。 「銀髪の王子様がどうしたの?」 「あのね、びっくりしないでね?」 「うん!!!!」 「私の部活の先輩だったの。」 「what…?」 「テニス部の先輩だったの!!」 「…まじでか!?」 「マジで…」 「そんな近くにいたのね、あたしの王子様〜」 涼ちゃんは予想通りの反応。仁王先輩はこの子のことを覚えてたし。 「その先輩ね、涼ちゃんのこと覚えてたの。私びっくりしちゃったよ。」 「本当に?すごく嬉しいな。」 「喜んでもらえて嬉しい。」 「早く会いたいな、ふふふふふ。」 何だろう、ものすごく嫌な予感がするのは気のせいかな? 「ねぇ、お姉ちゃん。明日さ、入れ替わらない?」 「うんいいよ…って駄目だよ!!!!」 何を言い出すこの妹ちゃんは!!!!?? 「なんで〜?」 「なんでって…。だって髪のながさとかいろいろ違うじゃない!?」 「ああ〜それなら大丈夫ぃ。髪はほぼ同じだし、目はカラコンで!」 なんて用意周到なんだ…。 「でも…幸村部長はその不二先輩って人と同じ魔王だよ?」 「…頑張る。」 「そっか。じゃあ、一回だけだよ?」 「いいの?」 「うん」 「ありがとう。お姉ちゃん!!!」 その後、お互いに要注意人物・先輩の名前・友達の名前・先生などの教えあいをし私たちは眠りについた。 私はたくさんの不安を抱いて。 涼ちゃんは長年思い続けたの王子様へのたくさんの期待を抱いて。 [次へ#] |