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『ハァ…ハァっ』
どこでやってるかなんて知らないのに、走って走って。
やっとたどり着いたとき、試合はもう終わってた。
『幸村部長!』
「奏じゃないか、どうしたんだい?」
『白石先輩が行って、いいって…でも場所わからなくて』
「そう…来てくれただけでも嬉しいよ。ありがとう」
「奏さん!」
後ろから呼ばれて振り返ると柳生先輩に、切原先輩、丸井先輩、ジャッカル先輩、柳先輩、真田先輩、仁王先輩がいた。
『皆さん、お久しぶりです!』
「奏じゃねえか」
「久しぶりだな」
先輩達に挨拶して、話した。
『あの、試合は?』
「もちろん勝ったよ。そっちは?」
『あ、はい。青学が勝ちました』
「そう、じゃあ次は青学か」
『応援に行きますね』
「もちろん来なかったらお仕置きだ」
幸村部長が笑って、ちょっとおびえて。
なんか、全部が懐かしかった。
そのあと、四天宝寺の所に帰ると試合をしてた。
『なんでまた試合?』
「あ、奏おかえり」
「金太郎はんがコシマエとやるって言って、コシマエくんが付き合ってくれてるんやわ」
『そうなんですか』
「でも、これ以上やったら明日の試合で越前くんが使いもんにならんなるで」
『え!?』
「オサムちゃん!」
「金太郎、もうやめ!」
コートの方をみる。金太郎くんが何人にも見える。
目をこすってもう一度みる。
やっぱり、何人もいるよね。
『これどれくらいやってるんですか?』
「もう40分やねん」
「ただの一球勝負が、な」
「あ、あの構えは!?」
はい?
「奏ちゃん、みんな伏せぇ!」
『は?』
「超ウルトラグレードデリシャス大車輪山嵐ぃ!」
『何ですか、それぇえ!』
「ツッコミ入れてる場合やないわ!」
私には突っ込むことしかできません。
『けふ、けふっ』
財前先輩が守ってくれたみたいです。
『ざ、財前先輩』
「大丈夫?」
『はい、ありがとうございます』
砂煙でコートは見えない。
あ、涼ちゃん
『ちょっとすみません』
青学の方に行って、涼ちゃんを探す。
『涼ちゃん、大丈夫!』
「大丈夫だよ、奏ちゃん」
『ひぃぃぃい!?』
恐ろしい声に振り返るとカチンコチンになって泣いている涼ちゃんと、笑顔の魔王様がいた。
「そういう反応止めてって言ったよね」
『は、はい、すすすすみません』
「それからさ…」
『涼ちゃんが無事ならばそれでよろしいでありまする。失礼するでありまする!』
急いで、四天宝寺の方に戻った。
戻る最中、
『お姉ちゃんのばかぁぁぁあ!』っていう涼ちゃんの絶叫が聞こえた。
ごめんなさい、弱いお姉ちゃんを許してっ
一球勝負が引き分けで終わり、そのあと白石先輩にお説教された金太郎くんでした。
「毒手いややー!!」
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