C
「いくでー、銀!」
「…む」
気合い満々でコートに歩いて言った謙也先輩と石田先輩。
「いやーん!謙也くんス・テ・キぃー」
「浮気かー!死なすど!?」
それを応援する小春先輩と嫉妬する一氏先輩。
一氏先輩は小春先輩にどこまで本気なんだろう。
「浪花のスピードスターがいるっちゅう話や」
「リズムにhigh!」
なんですかこの試合は。
スピード勝負ですか!?
速くて見えないです。
「むん!」
「ムンっ!!」
えーと、これテニスですよね。
あっという間に終わってしまった。
試合の石田先輩は少し嬉しそうだった。
次は千歳先輩の試合。
『千歳先輩、頑張って下さい。』
「勝ったら…ト○ロの絵描いて」
『またですか』
「お願い」
なんか、変だな。
『わかりました。』
「ありがと」
いつもと違う笑い方だった気がする。
コートでは、不動峰の部長さんと見つめ合っている。
周りでは先生や先輩達が騒がしい。
「シングルスツー始まるでー。」
白石先輩が言った。
「元九州最強の二人の試合や」
元九州最強の二人?
『あの、千歳先輩って大阪の人じゃないんですか?』
「千歳は転校生やで」
「九州の獅子楽中ってとこで目を怪我してからこっちに転校してきたらしいで」
謙也先輩と白石先輩が説明してくれた。
「目は治ったとや」
「おかげさんで…な」
試合が始まって、すぐ不動峰の部長さんはボールに目を当てた。
「けじめたい」
千歳先輩もびっくりしてたけど、にこって笑ってまた試合が始まった。
ボールが消えたり、千歳先輩がピカピカ光ったり、なんだかわからないけど…
この試合が終わって、ウチが勝った。
でもこのあと、起こる事は誰も予想できなかったと思う。
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