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幸村部長と涼ちゃんの訪問からはや数週間。
「奏ちゃん、金ちゃん見んかった?」
『いえ…そう言えば最初の試合って』
「金ちゃんやねんけど、見当たらんねん。ちょっと探して来てくれるか?」
『わかりました』
今日は、全国大会三回戦・不動峰戦。
そして今は、第一試合が始まる直前。
なのに、トップバッターの金太郎くんがいません。
白石先輩からの指令により金太郎くんの捜索開始です。
『きんたろーくーん!』
まあ、予想通り返事もなく…
って、これで出てきたらビックリだね。
『どうしよう…金太郎くんを早く見つけなきゃ…』
そのとき、
「あわわわわわわ!?」
遠くの方で金太郎くんの叫び声が聞こえた。
『金太郎くんっ!?』
声が聞こえてきた方へ歩いてみる。
「げひぃ!!」
今度は、おじさんっぽい声が聞こえてきた。
さっきと同じ場所からだ。
急いで走っていくと、赤毛と四天宝寺のジャージ。
間違いない!
『金太郎くん!』
「あー、奏やん!聞いてえな、謙也の言ってたコシマエが居るんや!!」
『コシマエ?何、それ…ってそれどころじゃないよ!試合』
「今ええとこやったのに…」
『白石先輩に怒られちゃうよ』
「コシマエーちょっと、待っとってな!」
頬を少し膨らまして走っていった。
「あ、奏。コシマエ見ててなー」
『は、え、ちょっと!』
パシッ
腕を誰かに掴まれた。
『!?』
「なんで…」
『え…?』
どこか聞いたことのある声。
振り返ってみると、見覚えのあるジャージと帽子。
「なんで、いるの…?」
『え、越前…くん』
すごく驚いた顔でいる越前くん、私も驚いた。
「なんで、ジャージ違うの」
『え、あ、そ…それは』
動けなかった。
どうしよう。
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