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女の敵参上! (妹)

「闘争の時…第一陣、前進」

遠呂智軍への襲撃が始まった。私は兼続と共に西砦にて待機していた。

「越後の龍」と呼ばれる謙信さまと「甲斐の虎」の信玄公。
この二人が力を合わせたのだから、勝てると誰もが思っていた。

しかし、上杉の騎馬隊は全滅。武田軍の幸村さんも敗走。

「茅、そろそろ出るぞ」

『うん』

私たちも出陣の準備をしていた。


信玄公の策が成功し、謙信さまが進軍。

合わせて私たちも進軍を始めて移動を始めた。

敵の砦の門を破壊するために進む。
迫り来る敵を切り捨て道を開いていく。

「馬鹿め!」

そんな時、聞き覚えのある声がした。

「茅、どこへ行く!!」

兼続の呼び止める声も無視してその声がする方に走る。

そして上杉軍の兵を切り捨ている見覚えのある背中に力の限り飛び蹴りを食らわす。


「な!?」

綺麗に吹っ飛び倒れた人物、自分の仕える主を見下ろす。

「何をするんじゃ!?何奴じゃ!」

『飛び蹴りだ!』

「お前は!?茅ではないか!」

こちらを睨んだかと思ったら、目を見開く政宗。

「生きておったか、馬鹿め」

人に馬鹿と言いながら立ち上がりる。

『失礼な人ね。私が生きてて嬉しいでしょう?』

「言っておれ」

こうして話をしているときにも遠呂智軍の兵は襲ってくる。
話をするには騒がしすぎる戦場に少しイラつく。

『ちょっと周り片付けてから話しよう』

「そうじゃな」

珍しく意見が一致し、武器を構える。


……………………


お互いの敵を一掃し一息つきながら、武器を下ろす。


『莢は?』

「心配するな、本陣で構えておる。元気じゃ」

『珍しいね、政宗が莢を自分の側から離すなんて』

「……しょうがないじゃろう。この場には厄介な奴がおるものでな」

『え、何?』

「お前も気をつけたほうがよい、近くにおるからな。それで?お前は兼続と行動しておるのか」

『そうだよ』

政宗は銃を片付けながらこちらに視線をむける。

「共に来い、と言っても来るつもりはないのだろう」

『そっちの人たち苦手なんだよね』

「莢もそう言っておったわ」

少し笑ってからまたいつもの偉そうな(まぁ、偉いんだけどさ)顔に戻る。

「今日は見逃してやる。さっさと行け」

『ちょっと待って、そっちから抜ける気は…』

「そんな考えなどこれぽっちもないわ!」


そう言って、空に向けて銃を撃つ。

「早く行け、今ので援軍が来る。さすがのお前でも一人では太刀打ちできんだろう?」

『人の話は最後まで聞かないし……覚えとけよ、ぼっこぼこにしてやる』

「ふん、やれるならやってみよ」

ニヤリと笑う政宗に背を向けて走る。

「次は敵だ」

後ろから政宗の声がした。




「兼続、悪いな。見届けたい奴がいるんだ」

「…また悪い虫が騒ぎだしたか」

親友である前田慶次と対峙した兼続は刃を交えつつニヤリと笑う。

「そうだ。お前んとこによ、茅はちゃんといるか」

「ああ、しかし先ほど一人でどこかに行ってしまった。探さねばならんのだが…それがどうしたのだ?」

「いや、こっち側に莢と政宗がいるからよ。莢が心配してたから教えてやろうかと」

「なるほど、では茅にも教えてやらねばならんな」

敵の砦の門を破壊するべくやってきたがそれも慶次が出てきた事で失敗した。

これ以上進軍をしたとしても勝ち目はないだろうと考えた兼続は周りにいる味方の兵に指示を出した。

「皆のもの、退け!」

「お?」

「聞いての通り、我々は退く。あの馬鹿娘を探さねばならんからな」

慶次に背を向けて、茅が消えた方向を見、歩き出す。

「そうかい」

そのまま慶次も背を向け兼続とは反対の方向へ歩いていった。



「はーはっはっは、やっと追いつめたぞ」

『…………ちっ』

只今茅、絶体絶命です。


「このような場所でお前のような娘に会えるとはなぁ、わしの酒池肉林に加えてやろう」

『結構です!』

逃げる最中、なんだか下品な笑い方をするおじさんに見つかり逃げ回っていたら知らない間に行き止まりに追いつめられた。

なんていうか…こいつは『女の敵』ってニオイがする…

まさか政宗の言っていた厄介で莢に近づけたくない奴ってこいつか!?政宗の意見に激しく同感。

ていうか酒池肉林って何!?

「ほれほれ、こっちへ来んか」

がっしりと腕を掴まれる。と、鳥肌が…

『いやっ』

振り払おう、腕をブンブン振り回す。

「このっ暴れるな!」

『やだ!触らないで変態っ』

「ぬをっ!?」

思いっきり足を踏みつけその隙になんとか振り払う事に成功し、男の隣をすり抜けて逃げる。

「このぉ…手こずらせおってぇ!!風魔よ」

『!?』

その男の口から風魔という名が出た瞬間、背中にぞくりとしたものが走る。

「何故我がこのような小娘のために動かねばならぬ」

押さえられている訳でもないのに体が動かない。

「いいから、その娘を捕まえよ!」

「ただのちんちくりんではないか」

『へ?…えっ…ちょっと!!ギョェェエ!?』

再び腕を掴まれたかと思ったら、風魔の肩に担がれた。

『おっ、下ろして!!』

「………」


どんなにドタバタ暴れようとも、風魔は何食わぬ顔できかない。

「良くやった、風魔よ。では、わしらは帰るか」

男が歩き出すとそれと共に風魔もあるきだす。

連れて行かれてたまるかと手と足を使ってジタバタさせ抵抗する。

「あまり暴れるものなら手足を縛って引きずるぞ」

『ごめんなさい!』

風魔の呟きは怖かった。さらに何かおまけ付きで引きずられそうなので大人しくした。

知らないおじさんと人外の忍者に誘拐されました。

誰か助けて下さい。



長い、そしてまとまりない。いつも思う、試合や戦いのところの文章がいつも変だと。女の敵、董卓さん登場!あと何故かこき使われている風魔登場!
この話はただ政宗に茅ちゃんの心配をしてほしかっただけです。かなりキャラ変わってますね。ずーんorz





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あきゅろす。
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