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必殺のフィニッシュブロー喰らった

今日は日曜日。
天気は晴れで、久しぶりに部活は休み。

テレビの占いでも三位ということで良いこと続きの日曜日だ。

「暇だったから、出かけたはいいんだけど…何をしよう」

考えなしに家を出て、只今近くの公園のベンチで何をしようか考え中。

ぼーっと道行く人達を見ていると見覚えのある雑貨屋の袋を持ってる人見つけた。

「そういえばあの店今、安売りしてたっけな…」

安売りしていたことを思い出して雑貨屋に行くことにした。

混んでいるかと思ったら案外人が少なかった。

小物を見ていると、キーホルダーが置かれているコーナーに見覚えのある後ろ姿を見つけた。

『……なかなかだな』

唸るように2つのキーホルダーを握りしめ見つめていた。

学校では男子でもなかなか喧嘩で勝てないと言われている彼女がうさぎとリスのキーホルダーを握りしめてるのは少し違和感があった。

けど…。

(かわいい…な)

今日は本当に運が良いみたいだ。
休みの日にいつもと違う彼女を見えるとは。

『や、やっぱりやめっ…ぎゃあ!?』

「あ、えっとこんにちは?」

彼女は握りしめたキーホルダーを元の場所に返して俺がいる方に歩いてきた。

そして俺を見つけた瞬間に、小さな悲鳴を上げて固まった。

『あ、な、なんでお前がいるんだ!?』

「えっと、散歩かな。君は?」

『わ、私か!?私は山田に買い物を頼まれたんだ。今から帰るんだ。』

「山田って担任の?」

『そうだ。じゃ、じゃあな!』

俺に見られたのがよほど驚いたのか、早歩きで店の出口に向かって歩き出した。

学校では見れないものばかりで、笑いそうになった。

笑いをこらえて、出ていく彼女を追いかけた。

「ちょっと待っててくれない?」

『は?』

「すぐだから!」

店の出口で引き止めた彼女を置いて、俺はさっき彼女が握ってたキーホルダー2つをレジに持っていった。

「お待たせ!」

『引き止めておいていきなりいなくなるなよ』

「ごめんね。はい、これ」

『なんだ?…これは』

買ったキーホルダー2つのうちのリスのキーホルダーを渡した。

「あげる。俺、こっちのキーホルダー気に入ったから」

『じゃあなんでこっちのキーホルダー買ったんだよ』

「2つ一緒に買うと安いって書いてたよ?それにさっき握ってたからさ」

『!』

顔を真っ赤にして、こっちを睨んだ彼女がかわいくて思わずまた笑ってしまった。

その後、小さな声でありがとうと言ったのがまたかわいくて色々こらえるのが大変だった。


次の日、靴箱でばったりあった。

いつもは挨拶したら睨まれるのに、今日は彼女から挨拶してくれた。

すれ違う時に、制服のポケットから見えたリスのキーホルダー。

「あ…」

『ん?』

「つけてくれたんだ」

『携帯がなんか寂しかったから』

「かわいいね」


そう言ったら、また彼女の顔が真っ赤になって…。

お腹のあたりに痛みを感じたのはその直後。

必殺のフィニッシュブロー喰らった

(照れ屋な彼女に片思い中…)





企画サイトのわるあがき様に提出させていただいた作品です。



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あきゅろす。
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