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恐怖政治



委員長の仕事とは…

バンっ




『ノート提出だ。昼休みまでに学級委員に持ってくるか教卓に置いておけ!』

「「「「…………ひっ」」」」


「まるで脅しね」

「だなー、ツンデレも大変だな」

『何か言ったか、山田』

「いーや、何もないよ」

学級委員なんて面倒な仕事を山田に押しつけられてから毎日、雑用などをする。

ノート集めとかしろと先生に頼まれたから声をかけるとクラスの奴らは悲鳴をあげる。



訳が分からない。



「野宮さん。そんなに力んじゃ駄目だよ」

『あぁ?』

「だから、こーこ」

『!』

にやけた顔した鳳が私の眉間に人差し指をあてる。

「ね。」


いやにこやかに微笑まれても困る。


『人の眉間に指を当てるな。なんだかそれされるといがいがするんだ』

「あー、なんか分かる」

私が言うと鳳は笑いながらごめんねと指をのける。


いがいがとした気分とは別に、胸がドキドキうるさい。

最近、自分の体がおかしい気がする。鳳と話しているとたまに運動したあとのように動悸がすごい。




「みんな、お昼休みまでにノート出してね」

「はーい」

「了解!」


私が言うのと鳳が言うのはどこがどう違うんだ。
何故ここまでクラスの奴らの反応は違うんだ。


訳が分からない。
考えていると小夜が腕にくっついてくる。


「湊はね、威嚇してるよ」

それから私にこう言った。

『普通に言っているぞ私は』

「いつもしかめっ面してるでしょう。」

『生まれつきだ』

「それはないでしょ。生まれつき、しかめっ面の赤ちゃんとか怖すぎるわ」

あーやだやだと嫌がる小夜。
そんなにしかめっ面しているんだろうか。



「とにかく湊は恐怖を与えてるの。鳳くんみたいににっこりにこにこして言わなきゃ!」

『お前は私がそんな風にしてどう思う?』

「え…………?キモチワルイ?」

『だろう。しかし、はっきり言われたら言われたで腹がたつ。』

「ぼーりょくーはんたーい!!」


自分で想像してすごく不気味だったんだ。絶対に笑ったりしない。


恐怖政治

(ある意味あいつの恐怖でノートの提出率あがってるんだよな)
(すごーい)




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