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ひとりぼっちの猫


「出席をとるぞー」

ガラッ

『………』

今日は、なんとか間に合った。

朝から駅の近くの道で他校の奴らに待ち伏せさせられていて、片付けた後ダッシュで学校にやって来た。

「おーい、野宮。遅刻ぎりぎりだぞー。また喧嘩かー?」

『間に合ったじゃんか、黙れ』

担任の山田葵は私の家の近所に住む知り合いだ。

一応、幼なじみであったりする。

今年の春から氷帝学園中等部に勤務し始めたらしいが運悪く私の担任になってしまった。
だから、色々とうざったい。

「喧嘩ってあの噂本当なんだー」
「聞かれたらどうするの!」
「ピアスつけてるし、なんか関わりたくないよね」
「しーっ、聞こえるよ!」


『………………』

丸聞こえだっつの。
悪いけど、耳はいいんだ。

(…なれたからいいけど)

昔から目つきが悪いとかなんとかで上級生たちから目を付けられて呼び出されたりしていた。

色々やられたらやり返していたから変な噂が広まってしまったのである。

今では噂が噂をよび私が喧嘩をしたがっていて他校生も襲っているやら、金属バットで上級生をボコボコにしたなどありもしない噂が全校中に広まっていたりする。


この噂は他校にも広がっていて、喧嘩を売られる毎日。

しかし売られた喧嘩は買うのが私のポリシー。
譲れないのだ。


「よし、朝の連絡事項はこれだけだ。今日も元気いっぱいに過ごせよー。そして野宮は職員室に来るように」

『…………はぁ』


毎朝これだ。
遅刻ぎりぎりに学校にくれば、必ず山田に呼び出される。


(めんどくさいなー)

そんなことを思いながらも私は職員室に向かったのだ。


ひとりぼっちの猫

(また葵の説教かー)





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あきゅろす。
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