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テニスの王子様shortstories
ペアリング



****高校2年の設定です☆









「ねえ、真田これにしようよ。」

実は今、真田とペアリングを買いに来ている。周りは普通のカップルばかりで、正直少し恥ずかしい。

「あ、ああ。」

顔を真っ赤に染めながらそう言う真田。そんなに顔を赤くされると…俺まで顔が赤くなってきちゃうんだけど………。

「────お決まりですか?」

と、後ろから若い女性の店員が俺達に話しかけてくる。

「あ、はい。…これが良いんですけど。サイズありますか?」

俺が指さしたのはシンプルなシルバーリング。
やっぱり男っていうのもあるし、あんまり小っ恥ずかしいのはちょっとね。

「あ、はい。…こ、こちらになります。」

少し顔を赤らめながらそう言う店員。いつものタイプの女性だと俺に顔を赤らめている人の方が多いんだけど、今回は………。

「うむ、…では幸村これでいいのだな?」

真田だ。
……ああ、俺とした事がどうしてこの店に買いに来てしまったのだろう。真田に色目でも使ってみろ。俺が一瞬にしてイップスかけてあげるからね。

「ああ。…真田、大好き。」

ニコッと真田への返事のついでにそう言った。
するとどんどん顔が赤くなる真田と正反対にどんどん泣きそうな表情になって行く店員。

「あ、ああ。……俺も…だぞ。」

ボソッと下を向きながらそう言う真田。

「お、…お客様……お会計の方を……どうぞ。」

本当に泣きそうになってきている店員。きっと俺達が帰った後店の裏にでも行って泣くのだろう。
正直、いい気味だと俺は思ってしまう。でも、仕方ないと思うんだ。



「真田。真田の家、行ってもいいかな?」

指輪の入っている袋を持って俺は真田にそう言った。

「ああ。大丈夫だ。」

それから俺たちは無言だった。言葉は、要らなかったんだ。
2人で手を握りゆっくり、ゆっくりと真田の家にへと歩いた。







*****



「…フフ、やっぱり男二人で行くのは無理があったかな?」

ニコリと笑いながら俺は真田にそう言った。当然ながら、そんな事など微塵にも思っていない。

「…う、うむ。…少しばかり恥ずかしかったな。」

そう言う真田は照れくさそうで、妙に可愛かった。

「でも、」

スッと、真田の顔に手を伸ばす。少し日焼けをしているその顔が、なんとも艶めかしく美しい。

「楽しかったね、あ、指輪。つけてみようよ!」

そう言って、俺は買ったばかりの指輪の箱を取って真田に『はい。』と、渡した。

「付けて。」

スッと俺は真田の目の前に自らの左手を差し出す。

「…っあ、ああ。」

真田は顔を紅く染め、照れくさそうに箱から1つ指輪を取り出して、優しく。俺の薬指にそれをはめた。

「フフ、じゃあ俺も。」

そう言って、俺は残ったもう片方の指輪を取って真田の左薬指にはめた。
眩しく輝くシルバー色の光。そして、目の前に居る照れくさそうな愛おしいひと……。

「やっと…、俺のモノって印が出来た。」

スリ…と、俺は真田の肩に擦り寄る。たくましいその体に寄り掛かりながら左薬指の指輪を見ているという事実がより一層今の幸せを感じさせた。

「何を言っておる。俺はずっと幸村のものだが?」

キョトン、としながらそう言う真田が愛おしくて、俺は万遍の笑みで真田に『大好き』と言った。








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