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テニスの王子様shortstories
好きすぎて







「ねえ、柳先輩知ってます?」

最近、柳先輩が妙に素っ気ない。もしかしたら俺に冷めちゃったのかな?とか他に恋人でもできたのかな?とかいろいろ不安に思うわけで…。

「何をだ?」

「あのね、うさぎは寂しくなると死んじゃうんですって。」

普段の俺なら、決してこんな事は言わないだろう。
ただ、気づいて欲しいんだ。俺が寂しがってるってことを。

「知っているが…。それがどうかしたのか?」

柳先輩は不思議がっているだけで、特に何も気づいた様子はない。
やっぱりこれじゃあ解りづらかったのかな?
少し悲しくなってきた。寂しいって気づいて欲しいのに…。

それを見ていた仁王先輩が柳先輩に声をかけた。

「案外参謀も鈍感なもんじゃのう。」

「どういうことだ?」

「何、簡単なことじゃき。赤也は寂しいというとるんじゃ。のう?柳生。」

そして、隣にいた柳生先輩に声をかける。いつもなら怒るところだが、今日ばかりは仁王先輩に感謝だ。

「ええ、そうですね。」

「そうじゃろ、赤也?」

「そ、そうっす!」

いきなり俺にふられたことに少し驚きを覚えたが、niceな質問をしてくれた二人にかなりの感謝だ。

「そうだったのか…。」

いつもよりも低い声でそう言うと、柳先輩はゆっくりとその場を去るかのように俺達に背を向けてヨロヨロと歩き出した。

「っ…や、柳先輩!待ってくださいよ、どこ行くんすか?」

「…俺はお前が寂しがっているのに気づけなかった。」

「はい?」

いや、確かに、確かにそうだけどさ。だけどどうしてそんなに落ち込むんだ?俺は、ただ……。
もう少し、俺の事を見て欲しかっただけなのに。

「お前に…俺はふさわしくないのだろうか?」

『だから、気づけなかったのか?』と、いつにも増して珍しく弱音を吐き続ける柳先輩。

「違いますよっ!」

必死に彼に違うと叫ぶ俺。
1つ、分かったかもしれない。きっとこの人は俺思っていたのよりも弱い人だ。

「…ならば、…何故だ…。」

俺も、弱い。きっと、この人が考えている以上に弱い。

「…俺は…ただ、柳先輩が最近俺に素っ気ないから……、不安で…。」

素直になって、自分の抱えている思いを柳先輩に打ち明ける。

「…それは…お前の事を考え過ぎて、…気持ちが抑えられなくなると困るから…。」

「っ…柳先輩っ」

柳先輩の言葉を聞くと同時に柳先輩に抱きついた。
思い切り柳の胸に顔を埋める。

「…大好きです…ううん、愛してます。」

「…俺もだ。」

傍から見たら少し俺達の愛は変わっているのかもしれない。普通なら嫌になって、嫌いになるのかもしれない。でも、俺達はちがう。俺達は、これくらいがちょうどいいのだ。

「…でも、俺うさぎだから、…寂しかったら…死んじゃうんすからね。」

きっと、顔が赤くなっているだろう。正直今のセリフは言っていてとても恥ずかしかった。それでも、いいな。なんて思ってしまう。この人の前でなら、いくらでも素直になれる。

「ああ、承知した。」

ニコリと微笑んで柳先輩はそう言った。









**** おまけです☆


「のう、柳生。これ見てどう思う?」

そう言って俺は赤也達を指さしながら柳生の方を見た。

「見事なバカップルですね。」

「ほんに、そうじゃのう。」

こんなに相思相愛なんにどこを不安に思うんか不思議じゃのう。

「俺達は邪魔モノみたいじゃき。二人でどっか行くぜよ。」

「そうですね、行きましょうか。」

珍しく乗り気な柳生に少し驚きを覚えつつ、俺は柳生の手を握った。

「ちょ、仁王くん//」

すると顔を真っ赤にした柳生。それでも、俺の手を強く握るのは嬉しい証拠なのだろう。

ほんに、かわええのぅ。

「さて、行こうか。」

「はい…//」









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