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テニスの王子様shortstories
2章 T








「…におー先輩。」

ギュ…と、俺は仁王先輩を思い切り抱きしめた。
あれから俺たちはまた何度も愛し合った。その時に王先輩がずっと言ってくれていた『愛してる』の言葉。それが嬉しくて、嬉しくて仕方が無い。

「なんじゃ?全く、、お前さんは甘ったれじゃのう。」

自身の胸に顔を埋める俺の頭を仁王先輩は目を細めながら優しく撫でてくれた。

「仁王先輩限定っすよ。」

俺がそう言うと、ブハッと仁王先輩は笑い出した。

「なんじゃそりゃ。随分可愛ええこと言うてくれるのう、赤也。」

「なんでも良いんすよ。だって、アンタにしかこんなとこ見せたくないんだもん。」

そう言うと、俺は抱きしめていた腕により一層力を込めた。

「そうか、そうか。赤也はええ子じゃのう。」

「…俺の事ガキだと思ってるでしょ?」

少しムッとしながらそう聞くと、『すまんすまん。』という返事が帰ってきた。

「……あと、何時間後かのう。」

『アイツを殺れるのは…。』と仁王先輩は笑いながらそういった。
さて、何時間後くらいだろうか。
今がまだ午前1時だから。せいぜいあと……16時間てとこか?

「16時間くらいっすよ。」

そう言いながら自然と俺は笑っていた。
早く、仁王先輩にアイツを殺して欲しかった。別にアイツが嫌いなワケじゃない。むしろ友達の中では好きなほうだと思う。
でも……────。
仁王先輩が初めて見せてくれたあの俺を求めて止まない顔。多分、アイツを殺した時にも見れる筈だ。
だからアイツには犠牲になってもらう。
きっと、アイツも喜ぶよな。だって、アイツ俺の事好きらしいから。
…好きな人を喜ばせる為なら、たとえ死んだとしても本望だろ?


「…早く、時間になって欲しいっすね。」

歪な笑みを浮かべたまま俺がそう言うと、仁王先輩も『そうじゃの』と笑い返してくれた。



仁王先輩の愛を見れるまで後もう少し……────。


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あきゅろす。
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