危険地帯
6
「なあ、樹里ー。
章どうしたんだ?」
「え?」
「だから、章!どうしたんだ?
今日ずっと上の空なんだよ。」
「そ、そうかな?」
「そうだよ。」
「んー、章だってたまにはぼーってすることだってあるよ。」
「そっかあ。」
英二が急に章のことを聞いてくるからびっくりした。
ちょうど章のこと考えてたから。
あの放課後の日から章は休み時間になるとぼーっとしてる。
理由は分かるけど章の問題に口出しするのはどうかと思ってそっとしてる。
英二には悪いけど無闇やたらに自分の家のことって言われたくないよね。
だから、さっきみたいに聞かれても流してる。
明日、休みだし気晴らしにどっか誘おうかな?
「ねえ…」
「あ、樹里。明日ヒマ?」
「え?明日?
う、うん!ヒマだよ!」
話しかけようとしたら章から話しかけてきたからどもっちゃった。
「良かった。悪いんだけど、明日付き合ってもらえない?」
「良いけど…どこ行くの?」
「内緒。じゃあ朝の11時に迎えに行くから。」
内緒って…一体どこに行くの?
ていうか、11時は朝って言わなくない?
「り、了解っすυ」
でも可愛い顔で微笑まれちゃあ断れないよ。
どこ行こっかなあ。
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