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危険地帯
11


「はぁ、はぁ。…はぁあ〜。」


何にも逃げること無かったのに…何でこんなことしちゃったんだろ。

でも、あんな笑顔、女の子に向けてるなんて…気があるって思われちゃうよ。

って、何でこんな心配してるんだろう。
私には関係ないじゃん。


…―そう。関係ないのに、何で胸が苦しいの?


「こんなの…私じゃない。もう…嫌だ〜。うわあぁん。うぅ…」


グラウンドを出て観客席の裏の草原で何でか泣いてしまった。








ガサッガサッ

「あれ〜?何泣いてるの?」




















side亮

「はあっ。樹里の奴どこ行ったんだ?」


「先輩、俺、寮の方見てきます!」


「じゃあ、俺は学校見てくる。」


本当でどこ行ったんだ?

他校の女子から話しかけられたから営業スマイルで話してただけなのに、何を勘違いしたのか泣きそうな顏で走って行った。

しかも、相手のサッカー部の奴ら「俺らが勝ったらあのマネくれよ」だなんてふざけんな!

樹里、無事でいてくれっ!












「あれ〜?何泣いてんの〜?」


ビクンっ!


「あれ?もしかして君、マネ?」

「あ!本当だ〜!泣いてても可愛いーねー」

「何?サッカー部の奴らにいじめられたの?俺らが慰めてやろうか?」


相手のベンチだった選手だ…。しかも、5人も。
完璧に逃げ場を失ってしまった。


「ええっと…、けっこうです。仕事残ってるんで…―退いてくれます?」


「そんな涙目で、俺らが慰めてあげるってば〜。ね?」


「けっこうですってば、放してっ!」


リーダーっぽい奴が腕を掴んできた!嫌だ、放してよっ!


「その手、放してくれるかな?」


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あきゅろす。
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