[携帯モード] [URL送信]

危険地帯



そして、やって来ました日曜日!


「おーい、樹里〜!来たよー!」

「あ、章っ!早いねー!」


グラウンドで給水ボトルの準備をしてたら章が来た。

今日は聖乙女沢高校のグラウンドで県外から他校を招いての練習試合。
この高校は全国大会に何度も出てる古豪校なんだっていっちゃんが言ってた。


章は英二が初先発って聞いて見に来る言ってくれたんだ。
やっぱ仲良いんだね〜!って言ったらそんなことないって言いながらも照れてたなあ。


「てか、樹里…そのジャージ何?」


「あぁ、これは…υ」


私はいっちゃんにサッカー部のジャージ借りろって言われたから借りたんだけど…デカすぎる。
袖も裾も折りまくってるし、ウェスト絞りまくってるのに落ちてきそうυ

これが英二のだからデカいのは仕方ないんだけどね。

他にもっと小さい人のを借りるって言ったのに英二が許してくれなくて…何でなんだろ?

結局、喧嘩してるって思ってたのは私だけみたいで次の日には英二はいつも通りに戻ってた。



でも、あれから英二にどこ行くにも聞かれて…、何だかお兄ちゃん、むしろ保護者みたいな感じ。

それを本人に言ったらなんか落ち込んでたけど。


「章、もっと話してたいんだけどこれ置いて来なきゃ…ごめんね。
後で話そう?」


「俺の方こそ忙しいときにごめ〜ん!じゃあ後でねっ!」


そう言って観客席の方に歩いて行った。
何人かクラスの人も見に来てくれてるみたい。
何だかんだ言って英二は人気モノだね。


「よいしょっと。うわ、重い〜」

給水ボトルを置きに行くのが試合前の最後の仕事。

かごに750mlのボトルを10本。
入れすぎたかな?


「持つよ。」



[*前へ][次へ#]

6/14ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!