危険地帯
4
「あ、樹里と英二おはよ〜。
いっちゃんには用事あって遅れてるって言っといたよ。
…てかさ、何か2人とも機嫌悪くない?どうかした?」
「「何でもない」よ」
言い返したら英二と見事にハモっちゃって…
思わず英二の方見たらたまたま目合っちゃって…―
「ふんっ!」
「っ!」
「…υ」
思いっきり顔をそらした。
いつもなら言い返してくるのに、今日の英二は何も言い返さずに自分の席に行ってしまった。
でも…、英二が悪いんだよっ!
「ねぇ、何があったの?」
「何でもないよ。ただ、英二が怒ってるわけは俺にもよく分かんないけど。」
心配してくれてる章に微笑いながら言った。つもりだったけど、眉をしかめた章を見ると上手く笑えてなかったみたい。
「そういえば、何それ?雑誌?」
章の机に広がってる雑誌。
話を変えようと思ってそれを見た。
洋服の雑誌みたい。男の子もこういうの読むんだあ。
「そう。『RISE』の今月号。」
「へぇ。『RISE』なら知ってるよ!モデルから俳優になる人多くって凄く有名だよね。
あ、この人着てる服かっこいいー!ん?この人…」
なんかどっかで見たことあるような…でも、金髪…―
「ああ、副会長だよ。」
「え?そう見えなくもないけど…ていうか、言われてみれば…て、何で!?」
「副会長はバイトでたまにやってるんだって〜、さすが顔良いし、スタイル良いから表紙になったりしてるよ。
もう本業にしちゃえば良いのにね。」
「バイトなのに表紙υ
凄いんだね…玲音先輩って。」
やっぱただのチャラ男だと思ってたけどそうじゃないんだ。
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