危険地帯
3
「そうなんだ…。
樹里がそう言うならもう何も言わない。
けど、俺的には日本に残ってくれて良かった。
こうしてまた喋ったり出来るしな。」
そんなことを照れ笑いしながら言ってくるから、一瞬、胸がドキンってなっちゃったじゃんか!
顔が赤くなってそうで手で頬っぺたを押さえた。
英二のこういうとこがモテるポイントなんだ。
そういや、中学で異様にモテてたし。
「…ーとはどうなの?」
「え?」
ヤバい、頭がトリップしてたみたい…。
「は?聞いてなかったのかよ。
だから、生徒会長と副会長とは何で知り合いなんだ?」
「あぁ。
従兄弟の大兄ちゃんが校長してるでしょ?
私が迷わないように校長室まで送って貰ったの、亮先輩に。
そのときにたまたま玲音先輩にも会ったってだけだよ。」
「そんだけ?
だてに何年も幼なじみやってるわけじゃねえんだよ。
他にも何かあったんだろ?」
鋭いっ!さすがです…。
「んー…英二はさ、亮先輩と前に会ったことある?
何か私のこと知ってるみたいなんだけど…」
「会長とは学校に入って初めて会った。
…前から?」
「そうなの。前から知ってるって。」
「前からって言ったら女だってバレてんじゃねえかっ!」
ビクンっ!
怒られた〜υでも…
「そんな怒ることないじゃないっ!
ヘマしてバレたわけじゃないのに…。
それに、亮先輩は私のこと一生懸命探してくれたんだよ?
良い人だと思うから、きっと大丈夫だよ。」
「〜っ!樹里は何も分かってない!
ここは男子校だぞ?ただでさえ危ないのに…」
「亮先輩はそんな危ない人じゃないよっ!だって…」
「だから、樹里は何も分かってないんだって!」
「私の何が分かってないのよっ!」
「〜っ!もういい。勝手にしろ。
…2時間目始まるから教室行くぞ。」
亮と言い争いになって気づいたらチャイムが鳴ってた。
もうっ!何なの。
私が分かってないなら教えてよっ!
お互いにムカついて一言も喋らずに教室に向かって歩いて行った。
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