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危険地帯



英二に簡単にこの学校のことを聞きながら歩いて着いたのは部室だった。

何で部室?って聞いたら、誰も来ないしサボるならここなんだって。

サッカー部の部室みたいでボールやらユニフォームやらが散乱してる。


「サッカー頑張ってるんだね。
この学校も特待で入ったんだよね?」


英二はサッカーが上手い。聖乙女沢高校は全国でも有名だけどそんな学校から特待貰えるんだからやっぱりすごいんだなあ。


「ちゃんとやってるよ。その代わり勉強はヤバいけどな。」


へへって笑う英二に苦笑いしか出来ない。


「それは…笑えないんだけどυ
それより朝ごはん!お腹減っちゃった。」


そういえば昨日の夜も食べ損ねちゃったんだよな。って思いながら英二からサンドイッチが入った袋を貰った。


「あ、私の好きなハムカツサンド。…ん!美味し〜!」


「そりゃ良かった。
でさ、本題に入るけど、何でこの学校に転入したの?
高校からは女子校って言ってなかった?」


やっぱりきた。…言わなきゃだめだよね。


「お父さんとお母さんアメリカに行ったの。仕事の都合で。
それで…日本に残るならって条件が…」


「この学校に入ること?」


「厳密に言うとちょっと違うけど…まあ似たようなもんかな。」


「でもさ、前はアメリカ行きたいって言ってたじゃん。
…何で付いて行かなかったんだ?だって…」


「それは中1までの話。アメリカにはまだ行けないの。」


そう、まだ…なんだ。



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