危険地帯
4
「ええ〜!?」
なにそれ!?私、聴いてないよ!?
「な、な、何で私が男子校に行かなきゃなんないの〜!?
てか、乙女沢って、共学…じゃなかったっけ?」
「もう、樹里ったらうるさしいですよ。女の子なのにそんな大きな声を出して…」
慌てる私を軽くたしなめて、困ったように笑いながらお祖母ちゃんが説明を始めた。
「樹里が言うようにこの学校は初めは共学でした。
でも…この学校の特色と言いますかねえ、なんというか…━、
ゴホンッ、
顔の良い男子生徒が、俗に言うイケメンというのかしら?がねぇ、余りにも多く揃ってしまってですね…。」
そういえば聞いたことあるかも。東京にイケメンしかいない高校があるって…。
で、でも、その学校がお祖母ちゃんの学校なの!?
「ええ!?それだけで男子校に?」
「いえ、それだけではさすがに変えませんよ。
ただねえ、女生徒の倍率が年々高まってしまって、男女の間に学力差がついてしまったのよ。
それで、急遽男子校に変えたのよ。
もう、5年も前の話だけどね。
樹里は京都にいたし、小さかったから知らなかったのでしょうけど…。」
「そんなの全然知らなかったよ。
でもっ、何で男装までして男子校に通う必要あるの!?
都内の高校でも…」
「私の目の届く範囲で育てろと貴方の両親に言われたのよ?
第一、この学校で起こったことなら私がどうにでも出来るでしょ?」
だなんて笑顔で言ってるし。
なんかその笑顔が黒いよ、お祖母ちゃん。
てゆーか、私そこまで素行悪くないから…υ
「でも…、ここって全寮制だよね?」
「ちゃんと個室をとってるから大丈夫よ。安心して通えるわ。
男装すればの話だけどね。」
お祖母ちゃん、語尾にハートつけて、ウィンクしないで。
可愛いけど、今は笑えない状況。
しかも男装すれば、って…υ
「でもっ、」
「樹里、もう決まったことです。貴方の両親にはちゃんと後で説明しておきますから、ね?」
…あ、まだ言ってないんだυ
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!