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危険地帯



「ええ〜!?」


なにそれ!?私、聴いてないよ!?



「な、な、何で私が男子校に行かなきゃなんないの〜!?

てか、乙女沢って、共学…じゃなかったっけ?」


「もう、樹里ったらうるさしいですよ。女の子なのにそんな大きな声を出して…」



慌てる私を軽くたしなめて、困ったように笑いながらお祖母ちゃんが説明を始めた。



「樹里が言うようにこの学校は初めは共学でした。
でも…この学校の特色と言いますかねえ、なんというか…━、

ゴホンッ、

顔の良い男子生徒が、俗に言うイケメンというのかしら?がねぇ、余りにも多く揃ってしまってですね…。」


そういえば聞いたことあるかも。東京にイケメンしかいない高校があるって…。

で、でも、その学校がお祖母ちゃんの学校なの!?


「ええ!?それだけで男子校に?」



「いえ、それだけではさすがに変えませんよ。

ただねえ、女生徒の倍率が年々高まってしまって、男女の間に学力差がついてしまったのよ。

それで、急遽男子校に変えたのよ。
もう、5年も前の話だけどね。

樹里は京都にいたし、小さかったから知らなかったのでしょうけど…。」


「そんなの全然知らなかったよ。
でもっ、何で男装までして男子校に通う必要あるの!?
都内の高校でも…」


「私の目の届く範囲で育てろと貴方の両親に言われたのよ?
第一、この学校で起こったことなら私がどうにでも出来るでしょ?」



だなんて笑顔で言ってるし。
なんかその笑顔が黒いよ、お祖母ちゃん。
てゆーか、私そこまで素行悪くないから…υ



「でも…、ここって全寮制だよね?」



「ちゃんと個室をとってるから大丈夫よ。安心して通えるわ。
男装すればの話だけどね。」


お祖母ちゃん、語尾にハートつけて、ウィンクしないで。
可愛いけど、今は笑えない状況。

しかも男装すれば、って…υ


「でもっ、」


「樹里、もう決まったことです。貴方の両親にはちゃんと後で説明しておきますから、ね?」


…あ、まだ言ってないんだυ




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