危険地帯 2 ━…時は遡ること1時間前。 私、早乙女 樹里(サオトメ ジュリ)はこのお城のような建物、聖乙女沢(セイオトメザワ)高校の理事長室のドアの前にいた。 この学校の理事長は私のお祖母ちゃん。 両親が仕事のために海外へ行かなくちゃいけなくなったんだ。本当は私も行くはずだったんだけど、ある理由があって行きたくないって駄々こねたんだ。 そんな嫌がった私を引き取ってくれたのがこの父方の、お祖母ちゃんだったの。 そんなお祖母ちゃんにお父さんはいくつかの約束を残して旅立っていった訳だけど…━。 明日を夏休み明けの始業式に控えた当に今日! そのお祖母ちゃんから大変なことを聞かされるなんて考えてもいない私は、呑気に鼻歌なんて歌いながら理事長室までやって来たんだ。 この時に引き返していたなら…、 あんな想いをすることなんて無かったのかな? [*前へ][次へ#] [戻る] |