危険地帯
11
「あの…何で肩に手を…?」
「逃げないように!
あと…、なんでもない。」
首を傾げながら玲音先輩を見ると首まで赤くなっていた。
チャラ男なのに、意外と純情?
何となく触れてたいから何て言えねえυ
なんて考えてた玲音だった。
気を取り直した玲音は話しだした。
「朝、急に言われたんだろ?亮に。
さすがに忘れんのはないけど…、
樹里くんがいないって亮が走り回っててちょっと驚いたよ〜。」
苦笑いしながら言った玲音の言葉に樹里の胸はぎゅっとなった。
見ず知らずの私のために亮先輩が…、
すごい悪いことしちゃった。
亮先輩に謝んなきゃ。
うつ向く私を見てまた苦笑しながら玲音先輩が一つのドアの前に止まる。
「亮の部屋ここだよ。
連れてくって電話しといたから、たぶん中で待ってるはず。
んな、不安そうな顔しないで。
何なら俺が一緒に入ろっか?」
「いえ…、俺が悪いんで、ちゃんと謝ってきます。
ここまでありがとうございましたっ!!」
「そっか…、ちょっと残念。」
心配そうに言ってくれた玲音先輩を見て言うと変な返事が返ってきた。
え?って首を傾げたら…━
「何かあったら俺を頼って。
俺、ヤローは興味ないけど、樹里くんのこと放っとけないみたい。
じゃ、頑張ってね。」
て、微笑いながら樹里の頭をポンポンと撫でた。
チャラ男かと思ってたけど良い人なのかもしれない。
人は外見で判断しちゃダメだよね。
でも、最後のはどういう意味だろ?
それよりも、まずは亮先輩!
コンコン
「失礼します…。」
入っていくと朝はピシッと上までしてたネクタイを緩めて椅子に座ってる亮先輩がいた。
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