危険地帯
8
「内緒なの!だから、黙ってて。
理由は後で言うから。
お願いっ!」
小声で言う私。
英二は溜め息を吐きながらも頷いてくれた。
「(てか、上目使いヤバいだろ…)
分かったけど、後でちゃんと言えよ。」
「はいはい。
お前らいつまで見つめ合ってんだ。
英二も樹里も席につけ〜。」
丹波先生がそんなこと言うから気づいたんだけど、私と英二はまだ軽く抱き合ったままの状態で。
私は顔を赤くして席に座った。
英二の方は耳まで真っ赤になっていた。
そして、周りの人に冷やかされている。
でも、そんなことに気づかないほど樹里もテンパっていた。
うう、恥ずかしい!
つい抱きついちゃったあ。
今は男子同士だから気をつけなきゃ。
ゲイだと思われちゃう。
なんて思ってると後ろから肩を叩かれた。
首を傾げながら振り向くと八重歯をだしながら笑う可愛い感じの男の子。
「はじめましてっ!俺、篠原章(シノハラ アキ)!
樹里くんよろしくね!」
「あ、わ…俺の方こそよろしく!」
ちょっとどもりながらも笑顔で返事を返した。
髪の毛にゆるいパーマがかかってて茶髪。垂れ目が似合ってて可愛いっ!!
「樹里くんて可愛いよねえ。
ほんとに男?ってくらい…」
「俺は、男だっ!!」
「あはは、当たり前でしょ。
面白いねえ、樹里くんって!
そういや、英二と知り合い?」
う、笑われたっ!
ここじゃ当たり前なのにヤバいヤバい!
「樹里とは幼馴染み。
てか、丹波に睨まれてるぞ、章。」
「うわ、やべえ。」
そう言って、英二が助けてくれた。
英二に口パクで「あ、り、が、と」って言って笑いかけた瞬間、英二は赤くなってた。
side章
樹里くんってほんと女の子みたい。
むしろ、女の子より可愛い!!
俺、ノーマルなのに…。
でも、もっと仲良くなりたいな。
英二と幼馴染みなんてラッキー★
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!