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危険地帯



「そういえば、そこにいる人は?」


大兄ちゃんに抱きつかれてて気づかなかったけど…

部屋の奥の壁に寄り掛かってる男の人がいる。
大兄ちゃんと同い年くらいかな?スーツ着てて、眼鏡掛けてる。

あ、ちなみに大兄ちゃんはVネックTシャツにジーパン。
こんな校長で良いの?


「ああっ!こいつは樹里の担任の丹波一樹(タンバ イツキ)。
俺のダチっつうか…まあ、仲良いんだけど、何かあったら困るから頼んだんだ。

一樹っ!この可愛いのが俺の樹里。頼んだぞ。
何かあったらどうなるか分かってんだろうなあ?」


大兄ちゃん…二重人格だよね。絶対…。

てか、俺のって、私は大兄ちゃんのモノじゃなーい!!


「分かってるって。
だけど、お前なんでそんなに樹里くんにかまってんの?
男なんて死んでも抱きたくないって言ってなかったっけ?」


「はあ?樹里はなぁ、おん…」


「男だよっ!従兄弟だから仲良いんですよっ、先生!」


あっぶない〜、大兄ちゃん気を付けてよーυ
無言で睨み付けたら、シュンとしてしまった。

これで大人しくなるし、ま、いっか。
丹波先生は大兄ちゃんを見てちょっと驚いてたみたい。


「そ、そうなんだ。
じゃあ、これからよろしくね、樹里くん。
クラスはA組だから、じゃあ行こうか?」


そして、結局放置。
うん、賢明なご判断。


「はい。じゃあ、行ってきます、大兄ちゃん」


「んっ!行ってらっしゃい。

…あ、樹里っ!私なんて言うなよ?ちゃんと俺って言え。」

「ぁぃ。了解です。」


先生に聞こえないように耳元で小声で言われたから、
ニコッと笑いながら大兄ちゃんに敬礼のポーズをした。


よおし!クラスでいっぱい友達作るぞっ!


そして、もうドアを開けて待っている丹波先生の方に走って行った。



side大輔

樹里…、可愛すぎて動けなかったよ。

いつの間にかいなくなってるし。

何事も無ければ良いんだがな…。









そのあと、職員室で他の先生にも挨拶をして、担任の丹波先生とA組に向かった。

丹波先生は大兄ちゃんとは大学は別だけどサークルで知り合ったらしくてそれから仲良いんだって。人付き合いが長続きしない大兄ちゃんだからびっくりだ。
クールな先生かと思ってたけど何かと気にかけてくれて良い先生みたい。


「バレるとかって何だったの?」って聞かれたときは焦ったけど、大兄ちゃんと従兄弟だってことって言ったら何とか誤魔化せたみたい。


意外と?鋭いかな。気をつけなきゃなあ。


なんて思いながら先生と和やかに喋ってたらいつの間にかがやがやするクラスの前に着いた。
さすがの私でも緊張してくるよ。


あらかじめ丹波先生と打ち合わせしてた通り呼ばれたら入ることになった。



ガラガラッ


「こらあ、お前ら静かにしろ!
今日からこのクラスに入ってくる新しいヤツ紹介するから。」


「新しいヤツ?こんな時期に?」

「いっちゃん〜!どんなヤツ?」

先生が言った途端に更にうるさくなるクラス。


「いっちゃん言うな。先生と呼べ。
じゃあ、紹介するから。

早乙女入ってきてくれ。」




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あきゅろす。
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