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危険地帯



「樹里〜!」


「くっ、くるし…大、兄…ちゃ、」


部屋に入った瞬間、大兄ちゃんに抱きつかれた。

まあ、いつもだから慣れてるっちゃ慣れてるんだけど…苦しいって!


「樹里、久しぶりだなあ!
元気にしてたかあ?
よーく顔見せて?
相変わらず可愛いな〜…、あぁっ!
俺の好きだった樹里の髪がこんな短く…まあ、これもこれで可愛いなあ…━」


抱きつかれたり、顔触られたり、また抱きつかれたり…いい加減に、


「ウザいっ!放して、離れてっ!
相変わらずウザいんですけど。」


「相変わらずとは失礼だなあ。
樹里が可愛いせいだろ?」


「可愛くないし!責任転嫁しないでよ…υ」


腕の力は抜いてくれたけど、まだ背中に手が回ってる。
ハッと気づいて大兄ちゃんを見上げた。


「そういえば何で大兄ちゃんが校長してんの?」


昨日、お祖母ちゃんに言われたの軽く聞き流しちゃってた。
でも、私聞いてないよね?


「あぁ、樹里には言って無かったか?
父さん達の会社に入りたくないって言ったら祖母ちゃんが俺に校長やれって言ってきてなあ。
まあ、一応教員免許とか試験パスしてるし、教師よりは良いかと思って…、
樹里を一目見ようと亮に頼んだんだけど大丈夫だったか?
何もされてないよな?」


「…、うん。」


大丈夫な訳ないじゃん!キスされたんだもん!!
しかも、二回もだよ?

大兄ちゃんに言えないけど。
言ったら何するか分かんないもん。



「おいっ!今の間なんだよ?
もうバレたのか?」


私の肩を掴んでガクガク揺さぶってくる。
首痛いー!!


「もうっ!放してよ。痛いって。」


「あ、悪ぃ。
で?どうなんだよ!?」


揺さぶるのは止めてくれたけど、思いっきり肩掴んでるからー!




「その、バレ…ちゃったぁ。」


「バレちゃったじゃねえよっ!
他には?何もされてないか?」


「されてないよっ!
もうこの話は終わりっ!」


ほんとはキスされちゃったけど…

追及されたくなくて話を強制的に終わらせた。
何か顔熱いな…。






side大輔

何で『他には?』で顔が赤くなってんだよ!!

これ以上聞いたら樹里に嫌われそうだから聞かないけど…、

亮のヤツ、何かしてたらブッ飛ばす!



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あきゅろす。
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