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危険地帯



結局、会長さん…もとい亮先輩が私の部屋に来たのは学校案内のためだったみたい。
だけど、時間が無いとか言い出して急かされて、今一緒に学校に向かって歩いてる訳で…━。

あのキスはなんだったんだろ?



「あっれ〜!?亮何やってんの?」



そう話かけてきたのは茶髪のチャラ男だった。

だって、髪の毛は金色に近い茶髪だし、ピアスなんか片耳に3つくらい付いてるんだもん。
でも、不良じゃなくてチャラそう…。



「朝、早く出ていかなかったっけ?てか、何でこんなギリ?
…ん?この子誰?」


「あぁ、昨日言ってた転校生。
校長に頼まれたんだ。」


「ああっ!転校生かあ、今の時期に珍しいよねえ!

俺っ、副会長の蒼井玲音(アオイ レオ)!よろしくね。
えーと…早乙女樹里くん?だっけ?」


「あ、はい。早乙女樹里って言います。よろしくお願いしますっ!」



勢いよく頭を下げて、玲音先輩を見上げた。

あ、チャラそうとしか思ってなかったけどよく見たら格好良いっ!てか、顔整ってるし、イケメンだー。


「っ!(え!?ヤバくね?可愛いすぎでしょ?男なのがもったいね〜)
ま、まあ、な、何か分かんないことあったらいつでも聞いてねっ!」


「心配無用。それは俺がやる。」



顔を真っ赤にして吃りながら話す玲音先輩。
ムッとした亮先輩が食いぎみに返してる。
思わず2人を交互に見比べて首を傾げてしまった。

亮先輩、玲音先輩のこと睨んでない?
この短時間に何があったの?


「じゃ、俺は樹里を置いてくるから。
担任に上手く言っといて。」


「俺も行くっ!」


「来るな、邪魔。樹里行くぞ。」


玲音先輩…、ちょっと可哀想。
それにしても…、亮先輩のこの手は何?

腰に回された手は百歩譲って良いとして、気のせいか腰よりも胸に近い気が…。


亮は首を傾げて見上げる樹里に妖しく微笑んで強引に連れていった。

唖然とする玲音を置いて。


「亮ってあんなヤツだったっけ?」


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