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危険地帯



「俺は聞いてるんだ。…答えてくれる?」


沈黙。


そんなこと言えるわけないじゃん!
てか、何で知ってるの?
もう、どうしよう!

会長さんの顔も見れずに頭のなかパニック状態!!



「…樹里は確か理事長のお孫さんだったよね。
…まあ、いい。理事長も承認済みならば何も言う権利はないしな。」


その言葉に思わず会長さんを見上げた。

そういった会長さんは微笑んでいて、
ああ、やっぱかっこいい。
なんて関係ないこと考えてしまってた。
頭ん中パニックすぎ。



「っ!何も泣かなくても良いだろう?」


「だって〜、いきなり女だってバレてるし、責められるし〜、パニクっちゃって…」


「っ、樹里っ」


涙が出そうでうつむきながら喋ってた。
初対面の人に泣いてるとこなんか見せられないよ。

でも、名前を呼ばれたから顔を上げたらいつの間にか会長さんの顔は近くて…、
気付いたときには私達の唇はくっついていた。


「っ!ゃ、はなし…んぅ」


驚いて体を押し返してもびくともしなくて、逆に抱きしめられて、抗議しようと口を開いたら、舌が入ってきた。


どのくらいキスしてたんだろう。

上顎や歯列を舌なぞられ、舌を吸われて足がガクガクして…、ついには膝がカクンと折れてしまった。



「はあ…、膝が折れるほど気持ち良かった?樹里。」


二人を繋ぐ銀の糸が切れて、会長さんは私の耳元で低音の声でささやいてきた。


「はあ、はあ…、何、で?会長さ…」


「俺の名前は亮だ。
亮って呼べ。
キスはお前が悪い。」


なんで?私は悪くないよっ!






side亮

いや、お前が悪い。

そんな顔で見られたら我慢出来るわけない。
ただでさえ、そこら辺にいる女じゃなくて樹里なのに…。




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