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危険地帯



「ふあぁ…。」


おっきな欠伸をしてふと、周りを見る。


白を基調とした部屋にハンガーにかけられた新しい制服を見て思わず溜め息が出てしまった。


エンブレム付きで襟に紺のラインの入った白のブレザーに赤のネクタイ。紺を基調としたチェックの入ったズボン。

そう、…ズボン。

あーあ、本当に私、男子校に通うのかあ。
大丈夫かなー。


昨日の夜、お祖母ちゃんが思い出したかのように制服と胸を押さえるベストを置いていったんだよね。





「よっしゃあ!頑張るぞっ!」


一応胸を隠すための、防弾チョッキみたいなベストと制服を着て気合いをいれた。





コンコン


ん?誰だろ?



「はあい…っ!」


ガチャッ


ドアを開けて思わず固まってしまった。

だって、そこにはめっちゃ格好良い人が立っていたんだもん。

…外人?瞳、青いし。


「え?お前…」


「お、おはようございますっ!あの…、貴方は?」


「あ、あぁ…、この学校で生徒会長をしています、藤堂 亮(トウドウ リョウ)と言います。よろしく。(ニコッ)
…━君が、早乙女、樹里、くん?」


「はいっ、早乙女樹里です!
こちらこそよろしくお願いしますっ!」


低い声に鋭そうな目。
…だけど優しく笑う人。
それが、第一印象だったんだ。


でも、それは一瞬のこと。
何だか疑ってそうな目線で見られてる。ん?睨まれてる?嫌なんだけど…



「あ、あの!何で私の部屋に?
何か用でしょうか?」


ちょっとムスッとしながら聞いたんだ。
そしたら、急に私の手を掴んできた。


「私?やっぱり…失礼するよ。」


そして、私の部屋に入ってきた、生徒会長さん。

な、何?


部屋の真ん中まで私を引っ張って入ってきた会長さん。ちゃんとドアは閉められてる。
私の方に向き直るといきなり爆弾を落としてくれた。


「樹里、私なんて言ったら女だって一発でバレるぞ?
てか、何でここにいるわけ?」




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