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涙のあと



龍先輩の腕の力が弱まる。絢は龍先輩のほうに向き直って言った。





「あのね…、わ、私、お義兄ちゃ…、ううん、龍先輩のことが…好き。

でもね、兄妹だし、もう諦めるから。もうちょっと待ってて?」




顔を上げれずうつむいて言いきった絢。でも、先輩は何も言ってくれない。


焦れったく思った絢が上を向いた瞬間、龍にまた抱きしめられた。苦しいほど強く…。




「ぇ?龍先…」


「絢…、そんなこと言うなよ。

止められないじゃないか…。」




言いきった瞬間、絢の唇が龍の唇で塞がれていた。




「(ぇ…?どういうこと?ていうか苦しい!)」




混乱する絢が息を吸おうと口を開けたが、龍の舌が入ってきてまた体がびくついてしまう。
しかも龍は絢の後頭部を押さえて更に深く舌を絡めてくる。




「(ヤだ…体が熱い)

ん…ふぅ…ぁん…んぅ」




ゆっくりと龍の唇が絢の唇から離れていく。二人の間の銀の糸がプツリと切れた。

どれくらい絡めていたのだろうか。絢が肩で息をするほどキスしていた。

絢が目尻に涙を溜めながら龍を見上げると




「絢のせいだから…

抑えてたのにもう無理だ。」




龍は絢の耳元で言った。妖しく笑いながら。





「ぇ?どういうこと?龍先…」


「名前で呼んで。先輩なんてつけないで。俺が何言いたいか…分かるだろ?」




耳元で言う龍の声、言葉に絢の体はビクビクしてしまう。




「わかんないよ。言葉で言って?」




龍を見上げながら言う絢に



「馬鹿…υ」




そう言うが早いか絢を抱き上げ龍の寝室へと向かっていった。






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あきゅろす。
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