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愛言葉を叫びましょう
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パタン…

掴んでいた手をそっと離し、広瀬先生は俺の頭をぽんぽん、って撫でた。

昨日の今日だから本当は逃げ出したいところなんだけど、さっきの宮本先生の言葉が痛すぎて…でも、言ってることは間違ってなくて…
ぐるぐる考えすぎて、逃げようともしなかった。


役立たず。


それだけが頭をぐるぐる回っていて…俺は俯いたまま。
先生は一言も喋らない俺を気にせずに頭を撫でていた。

キーンコーンカーンコーン コーンキーンカーンコーン

予鈴が鳴った。
はっとした俺は少し顔を上げて、見上げる高さにいる先生を見た。

「予鈴鳴ったんで…。ありがとう、ございました。」

手を振り払って教官室を出て行こうと、ドアノブに手を掛けた。
すると、信じらんない程の強い力に片方の腕が引っ張られた。
身軽な方の俺は、気付いたら先生の腕の中にすっぽり収まっていて…?

状況を把握しきれない頭をフル回転させて、精一杯の力で抵抗を始める。が、十何センチも身長が高い先生はビクともしなかった。

「離、して下さい…」

「嫌」

即答ですか。

「ち、チャイム、な…鳴っちゃいましたよ」

ぎゅっ…

抱き締める強さが増したかと思うと、俺を優しく離して顔を持ち上げた。

「そんな泣きそうな顔してるヤツ、教室戻せるか」

「っ!!」

図星だった…。
あ、もうダメだ…。
俺、泣いてもいいですか?

「馬鹿、泣け。泣きたかったら我慢するな。俺がいるから」

なんで…なんで俺の心がわかるんですか?
そんなこと言われたら…

「ぅ…う〜…ひぐっ」

「よしよし」

俺は涙でぐしゃぐしゃの顔を先生にさらけ出した。
先生はちょっと笑いながら俺を抱き締める。

「俺っ、や゛ぐ、たたずでっ、ひっく、みんなの゛、邪魔っ、してる゛っで…っく」

あぁ…。ゆっくりと撫でられる頭が気持ちいい…。
そんな先生の優しさが、俺の涙腺を一層弱くさせるんだ。

「お゛れ゛っ、みんなに゛、め、迷惑っ、かげて…っ、う〜…」
「…ばーか」


今まで黙っていた先生が、突然話し出した。
頭を撫でるのをやめ、また強く抱きしめられる。

「お前が頑張ってるのは知ってるよ。放課後も夜中も…独りで背負いこんで。」

「ひぐっ…っく」

「役立たずなんかじゃない。お前は必要だよ。俺にも、みんなにも…
泣きたかったら我慢するな。怒りたいときは怒れ。嫌になったら弱音吐いたっていいんだ。俺の前で、我慢するな。」

「う゛っ…っう〜」

「もっと甘えればいいんだよ、お前は」

そう言って、また俺を強く抱き締める。


あぁ…そっか。
俺、もう広瀬先生の前で無理に意地張らなくていいんだ…。

ふと、身体が安心感に包まれた。
今は胸がドキドキする理由も、顔が熱いのも、抱きしめられて嬉しいのも…抵抗せずに受け入れよう。

俺先生にはしがみついて、いつぶりかわからない程の大泣きをした。

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あきゅろす。
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