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Title
05.お前以外いらない(骸綱)
軽く病





僕の世界は

ただヒトリ

君ダケデ良イ




05.お前以外いらない(骸綱)






「ねえ綱吉君、覚えてますか?」
「いや、何を」


広いソファに綱吉君を後ろから抱きしめた状態で座っていた。綱吉君の肩に顎をのせる形でそうたずねれば、当然といえば当然の答えが返ってくる。いきなり「覚えてますか」なんて言われても理解不能だ。それをわかってても、人間一度はやるものである。

ま、それはさておき。
僕は綱吉の頭を軽く撫でながら話を続ける。


「初めて君と戦ったときに言ったじゃないですか。『世界大戦…なんてベタすぎますかねぇ』と」
「…そーだっけ」
「はい。言ってたんですよ実は」
「ふうん…」


まるで興味なさそうな態度が気にかかる。それでも僕はやめなかった。


「最近また思うようになったんですよ。世界大戦してみたいなぁって」
「…お前、最近物騒なこと言わなくなったと思ったら何なんだよいきなり」
「クフフ。だって…ね?」


抱きしめる腕の力を強くすると綱吉君は少し身じろいだ。しかしそんなことはお構いなしに、何があっても絶対逃がさないように力を緩めない。


「世界大戦をしたらどうなると思いますか?」
「…人、いっぱい死んだり…めちゃくちゃになる…」
「はい、正解です。それが僕の目的です。マフィアの戦滅よりも大規模でしょう?」
「馬鹿なこと言うな!そんなことがあっていいと思ってんのか!?」


平和主義な綱吉君はどうやら怒ってしまったらしい。暴れて必死に抵抗して、僕から離れようとするけど決して離さない。もがけばもがくほど、離したくなくなる。


「だって、いらないでしょう?」


言葉の意味とは裏腹に、なだめるような口調で言う。綱吉君はまだ大人しくならない。


「いらないじゃないですか。自分勝手で汚い人間たちなんて。窃盗、強姦、殺人…そんなことが毎日当たり前のようにどこかで行われている。みんないなくなればそんなことはないでしょう?」
「そんなの間違ってる!人間はそんな人ばっかりじゃ…!」
「まあ正直に言えば…」


うるさい口を塞ぐ。抵抗する気も起きないくらいにそれを続けたらやっと大人しくなった。それを確認して、目を細める。


「僕は君以外いらないんですよ。君だけいればそれでいい」


全部いらない。

クロームも。
犬も。
千種も。

君の大切な人々も。

全部、イラナイ。


「僕と君だけ。それ以外に何が必要だと言うんですか?君だって、僕さえいれば他は何もいらないでしょう?」
「骸…オレは…」


反論しようとする唇を、またふさぐことで黙らせた。

















あきゅろす。
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