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Title
安っぽい指切り(骸綱)





指切りげんまん

嘘ついたら

針千本のます

指切った!




安っぽい指切り(骸綱)






子供たちは何か約束をとりつけるときに、よく指切りげんまんを使う。
日本の指切りげんまんとは恐ろしいもので、子供が何も意味も知らずにこんなことを言っているのかと思うとこれはちょっとした恐怖だ。

そもそもこの指切りげんまんの由来は、かの昔遊女たちが愛した男に「また来てくださいね」と意味を込め小指を切り落として渡した…とかそんな感じだったはずだ。生憎と僕は日本人ではないから曖昧だが。
それが子供たちにいろいろと着色されてげんまん…拳骨1万回だとか針千本のますだとかが加わった。

そしてそんなこと知るはずもない子供である綱吉君は、容易に小指を差し出していた。


「オレが、必ずお前を復讐者の牢獄から出してやるから!オレひとりじゃ無理だし、何年かかるかわからないけど、絶対助けに行くから。だから…っ」


言い遅れたがここは幻想世界。未だに僕の本体は復讐者のところにいて、綱吉君とはここでしか会えない。
最近はここでの暮らしももうどうだっていいかと思い始めた危うい状況だったが、やはりでれるものならでたい。だがそれが容易くできるのなら苦労はしない。

それをわかっていて尚、綱吉君は言うのか。なんと愚かしいことだろう。
そう思っているはずなのに、僕はいつのまにか小指を差し出していた。

綱吉君の小指と、僕の小指が、絡まる。


「ゆーびきーりげーんまん、うーそつーいたーらはーりせんぼんのーます、ゆーびきったっ!」


馬鹿馬鹿しいことなのに、つい期待してしまう。僕は空いてるほうの手で綱吉君の頭を撫でた。


「絶対ですよ…?できなかったら指切断して1万回殴った末に針千本飲ませて死ぬまで犯しますからね」
「怖いこと言うな!犯すとか言うな!!」
「ほとんど間違ったことは言ってないんですけどねぇ…」


僕としてはそれでも面白いからいいのだけど。

だけどどうせなら。
せっかく指切りしたのだから、せいぜいがんばってほしい。

それまで、僕はいくらでも待ってるから。





 



あきゅろす。
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