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dream
shyboy and selfishgirl

恋人が出来て、周りの子はみんな
綺麗になったね、
なんて言う。

それはドキドキする対象が近くにいるからのことであって…

あたしの彼、ドキドキさせてくれるどころか

手も握ってくれないんですけど!!










shyboy and selfishgirl









あたしには、付き合って半年の彼氏がいます。
さて書き出しでお分かりのように今日は半年記念日。

それを知ってか知らずか、仕事がいそがしいのに久しぶりにご飯に誘ってくれた裕くん。

ご飯を食べて、座っておしゃべりして。
もちろんそれだけで充分幸せなはず。

違うんです、
問題は帰り道なんです。


恋人は手をつないで帰るのが当たり前ですよね、
手をつなぐ前提で恋人つなぎだとか色々あるんだからさ。


でも、ほら、今日も


「…今日寒いなぁ。」

「うん。手冷たいなぁ」

「天気予報で寒い言うてたんやから手袋くらい持ってこいや」


…なんで今日そんなに意地悪なの!!
俺の手で暖めてやろうか的なの言ってくれたっていいでしょ!!

そんなこと言うと君はいつも
わがままやなぁ、
って。

「手冷たいってば」

あたしがそう言って彼の袖をつかむと、髪の毛に隠れた裕くんの頬が赤く染まってるのが見えた。

ほんとはね、知ってる。

裕くんが誰よりもあたしのことを大事にしてくれてて、

手つないでくれないのは、恥ずかしいからだってことも。

それでもこんな風に意地悪しちゃうのは、
あたしはやっぱりわがままだから。


うつむいていると

左手を暖かいものが包んだ。

「??」

顔をあげた先には、さっきよりもっともっと赤くなった裕くんの頬。

そしてあたしより大きくて指が長くて綺麗な手が、あたしの左手をしっかり握っていた。

「裕くんありがとう」

あたしが握り返すと、裕くんは指先まで赤くなってうん、とうなずく。

「恥ずかしくてよう言わんけど
…ほんまはお前んこと好きやから」


珍しくそんなことを言ったと思ったら、唇に柔らかい感触があった。

…なるほど、今日はさらにおまけ付きですか

「こんな俺と半年も一緒におってくれてありがとな。
できたら…せめて後半年だけでもええから、よろしく…」


そっぽを向いたまま言った裕くんがたまらなく愛しくて。


「半年と言わずに、ずっと…ね?」


わがままだって、

そんなに悪くはないんじゃない??









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