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dream
はじめまして。


不思議な、

大切な。







はじめまして。











「1個下の軽音部の後輩にさ、めちゃめちゃイケメンいるの知ってる??」


友達の美咲の急な質問に、あたしは首をふった。

「しらなーい。あたし年下好みじゃないし。」


「でもいっつもあんたのこと見てるんだよねー…」


なんじゃそりゃ。
残念そうに言った美咲は、窓の外を指差した。

「ほら!!!!あの子!!!!」

指した方を見ると、それはそれは目をみはるような美少年。

見たこと、あるに決まってる。
あのわけのわからない後輩とはじめて出会ったのはつい2日ほど前。



おととい。
部活終わりで疲れきったあたしの前に美少年が現れた。

「あ、先輩!!
俺、丸山隆平っていいます、あの突然なんですけども…」

そこまで言って、急にあたしに目を合わすと、

「俺と結婚してください!!!!」

…はぁ??


衝撃のはじめましてだった…





「さくら、聞いてる??」

「え、あぁうん。」

丸山くんと目があった。
なんで恥ずかしくないのかわからないけど、嬉しそうにあたしに手をふる。

けなげだから思わず手をふり返すと、くるんとまわって隣の男の子にガッツポーズ。

「なぁんだ、知り合いなの?!」

「腐れ縁、です。」

美咲は不審そうにこっちを見た。

窓の外に目を向けると、今度は丸山くんが一人で手招きしている。

嫌な予感しかしないけど、美咲との会話も苦しくなってきたから、あたしはじゃあね、と言って階段を降りた。





「あ、先輩ほんまに来てくれた!!
帰っちゃったと思いましたわ〜」

「おとといの真相を聞こうと思って。」

「あぁ…」

丸山くんはうなずいて、少し顔を赤らめた。

なんだ。可愛いとこあんじゃん。
不覚にもときめいた自分を叱咤して、もう一度目を合わせた。

「あの、突然ですいませんでした、びっくりしましたよね。

俺、中学のとき、軽音部のライブで初めて先輩のこと見て、
ここに俺の姫君がおった!!と思って…

それからずっと先輩のことがめっちゃ好きでした…」

鼓動が聞こえてきそうなくらい真っ赤な丸山くんの顔。

吹いてくる風なんかじゃ全然冷めなくて、あたしはバクバクうるさい胸に手を当てた。



「あの、結婚は将来のことでいいんで、
とりあえず…付き合ってくださいっ!!!!」



なぜだかうなずいた自分がいて。

おずおずと抱きしめてくれた腕が心地よくて。






不思議だけど、


大切な、


運命の出会いと





はじめまして。

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